【2026年ドラフト】巨人はなぜ高校生を重視?上位4人の狙いと育成戦略 | TOKYO リーマン NOTE

【2026年ドラフト】巨人はなぜ高校生を重視?上位4人の狙いと育成戦略

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巨人の2026年ドラフトで高校生を重視した狙いを表す、4人の球児の後ろ姿と見出しの白黒画像 2026年シーズン

2026年の巨人は、ドラフト1位から4位までを高校生でそろえました。支配下6人中4人を高校生が占める指名から読み取れるのは、数年先の投手陣と内野の中心候補を、同じ世代でまとめて育てようとする狙いです。なぜ今年、これほど将来性に比重を置いたのでしょうか。

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上位4人が高校生は18年ぶり。人数以上に「順位」に意味がある

10月22日のドラフト会議で、巨人は支配下6人、育成5人の計11人を指名しました。高校生は支配下で4人、育成で3人の計7人です。特に目を引くのは、支配下の1〜4位を高校生が占めた点でした。

順位選手・所属ポジション
1位織田翔希/横浜高投手
2位平田玲翔/大分商高投手
3位池田聖摩/横浜高内野手
4位杉本真滉/智弁学園高投手
5位伊藤櫂人/中央大内野手
6位松平快聖/神奈川大投手

※2026年10月22日の指名結果。育成指名は表に含めていません。指名は交渉権の獲得で、入団決定とは異なります。

巨人で上位4人が高校生となったのは、2008年以来18年ぶりです。2008年は大田泰示、宮本武文、齋藤圭祐、橋本到を1〜4位で指名し、5位の笠原将生まで高校生が続きました。今回は、それに近い将来性重視の構成です。

高校生を下位や育成で複数指名することと、上位の指名権を集中させることでは、編成上の重みが違います。上位では大学生や社会人の有力候補も選べます。その機会を使って高校生を優先した点に、今年の判断が表れています。

理由①「高校生だから」より、将来の主力になれる選手を優先した

まず根拠となるのが、球団側の評価です。榑松伸介スカウトディレクターは会議後、将来性のある選手を上位で指名できたことに手応えを示しました。織田投手についても、世代の投手の中で最上位に位置付けています。

一方、会議前に挙げていた1位候補12人には、高校生だけでなく大学生、社会人の投手と野手も含まれていました。最初から高校生の人数だけを目標にしたと断定するより、候補者の評価と指名の巡り合わせを踏まえ、将来の主力候補を優先した結果と見るのが自然です。

ドラフトで難しいのは、一軍の穴をすぐ埋められそうな選手と、成長すればチームの中心になれる選手のどちらを取るかです。両方を備えた候補を毎年確保できるわけではありません。巨人は今回、上位の指名で後者に大きな比重を置いたと考えます。

この判断には、将来のエースや遊撃手を必要になってから探しても間に合わない、という編成上の合理性があります。高校生を指名する年と、一軍で主力を任せたい年の間に育成期間を置く。その時間を先に確保するドラフトです。

理由② 右腕2人・左腕1人・遊撃手で、次のチームの骨格を作る

上位4人は、同じ高校生でも期待される役割が異なります。織田投手と平田投手が右腕、杉本投手が左腕で、池田選手は遊撃を守ってきた内野手です。将来性への投資を、投手だけに集中させていない点が重要です。

織田投手は最速157キロ、平田投手は188センチの長身から最速152キロを投げます。杉本投手は最速149キロの直球とスライダーが特徴の左腕で、春の選抜準優勝を経験しました。球速や体格に加え、左右の違いもある3投手を指名しています。

編成面では、織田投手一人の成長だけに将来の投手陣を託さず、平田・杉本両投手も含めて一軍の柱になる可能性を広げた構成と読めます。プロ入り後に誰が先発として伸びるか、どの球種が通用するかを見ながら、複数の候補を育てられます。

池田選手は強肩を生かした守備が評価され、U-18代表でも正遊撃手を務めました。遊撃で成長できれば守備の要になり、将来ほかの内野へ配置する場合にも選択肢が生まれます。プロでの打撃への対応を進めながら、守備力をどう一軍への入口につなげるかが焦点です。

投手3人と遊撃手候補という組み合わせは、数年後のチームの骨格を意識したものに見えます。同世代の選手が別々のポジションで主力になれば、投打の世代交代を同時に進められるからです。

理由③ 二軍・三軍で育てる時間を、早い段階から確保できる

高校生を多く指名する戦略には、成長段階に合わせて練習と実戦を配分できる受け皿が必要です。巨人には二軍・三軍の指導体制があり、Gタウンも若手育成の拠点として使われています。高校卒業後から球団内で育てる道を選びやすい環境です。

高校生投手なら、体作りを優先する期間と、登板を重ねて投球を磨く期間を分けられます。野手なら、打撃の課題に取り組みながら守備位置ごとの経験を積めます。高校時代の完成度が異なる選手を、一律のペースで一軍へ近づける必要はありません。

大学を経由する選手と比べると、球団が早い段階から成長過程に関われることも利点です。投手のフォームや球種、野手の打撃と守備を長期的に見ながら、個別の計画を作れます。今回の構成は、こうした育成基盤を生かす選択とも考えられます。

ただし、施設やチームの数が増えても、登板数や打席数まで自動的に十分になるわけではありません。投手なら必要なイニング、池田選手なら遊撃での守備機会と打席をどう確保するか。高校生を多く集めた意味は、その配分によって変わります。

5・6位の大学生指名は、育成にかかる時間を補う組み合わせ

巨人は最後まで高校生だけを並べたわけではありません。5位で中央大の内野手・伊藤櫂人、6位で神奈川大の投手・松平快聖を指名しました。上位で将来の主力候補を集め、下位で大学野球を経験した選手も加えています。

大学生だから即戦力と決めつけることはできません。それでも高校生中心の構成に、経験を積んだ異なる年齢層を組み合わせる意味はあります。投手と内野手の両方で、戦力化の時期が一か所へ偏ることを和らげられるからです。

一軍に近い選手が早く競争へ加われば、ほかの新人に必要な育成期間を取りやすくなります。反対に、大学生も含めて時間がかかる場合は、既存戦力の底上げや別の補強で来季の課題に対応する必要があります。高校生重視の成否は、ドラフト外の編成ともつながっています。

支配下7人に高校生を含めなかった阪神とは、戦力化を期待する時間軸が対照的です。両球団を含む全体像は、2026年ドラフトの12球団の指名傾向と狙いでも整理しています。

織田翔希の指名は、育成リスクに加えて「入団の不確実性」を取った判断

今回の指名を評価するうえで、織田投手だけは別の論点があります。米国挑戦の意向を表明しており、巨人の指名後もその意思を示しました。2026年10月23日時点で、巨人入りを前提に投手陣の将来像を描くことはできません。

水野雄仁編成本部長は、球団内で議論したうえで指名を決断し、日本のファンにも織田投手を見てほしいという趣旨を説明しています。ここには、高い評価を付けた選手との交渉機会を得るために、貴重な1位の指名権を使う判断がありました。

高校生を育てるリスクと、そもそも入団に至らないリスクは分けて考える必要があります。平田・杉本両投手も指名したことで将来の投手候補は複数になりましたが、それが織田投手との交渉不成立による損失を埋めるわけではありません。1位で別の有力選手を指名する機会も使っているためです。

交渉では、巨人の育成環境を示すだけでなく、本人が米国へ早く渡りたい理由にどこまで向き合えるかが問われます。織田投手側の選択は、NPBを経ずに米国へ挑戦する利点と課題で掘り下げています。

成否を測るのは、数年後の「一軍で任せられる役割」

高校生中心のドラフトは、翌年の新人の勝利数や出場試合数だけで評価すると、狙いを見誤ります。最初に見るべきなのは入団交渉の結果と、各選手に合った育成計画が動き出すかです。その後、投手なら継続して登板できる体と武器、野手なら一軍の投手に対応する打撃と守備を積み上げていきます。

同時に、同世代をまとめて指名したことで、将来の出場機会が競合する可能性もあります。特に3投手を全員先発として育てたいなら、段階に合った登板を継続的に用意する必要があります。全員の成長を同じ速度で求めず、一人ずつ一軍での役割へつなぐ運用が大切です。

巨人が今回、高校生に多くの上位指名を使った理由は、球団側の将来性評価に加え、投手と内野の核を早い段階から育てる価値を重く見たためだと考えます。成果が表れるのは、指名した選手が一軍でどんな仕事を任されるかが見えてきたときです。平田・杉本両投手が投手陣の柱へ近づくか、池田選手が内野の定位置争いへ加わるか。交渉の注目が織田投手に集まる間も、この3人の育成がドラフト全体の価値を左右します。

参考情報

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野球好きの30代サラリーマン / 趣味は野球観戦・読書 / 現在子育てに奮闘中 / 野球関連のデータ分析・考察記事を発信します

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