2026年のドジャースは100勝を挙げながら、ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)でブルワーズに4連敗。3連覇への挑戦は終わりました。しかし、2027年の補強は単純な「スターの買い足し」ではありません。最も重要なのは、スクーバルの去就を見極めながら、リリーフ陣の再編と外野の世代交代を進めることです。
※2026年10月18日時点のFA予定と戦力状況に基づく予想です。移籍・契約成立の発表ではありません。
ドジャースの補強ポイントは?優先度はブルペン、先発の去就、外野の若返り
最も手を打ちやすく、必要性も高いのがブルペンです。2026年オフにはアレックス・ベシア、エバン・フィリップス、ブレーク・トライネン、ブルスダー・グラテロルらがFAとなる見込みで、単純に人数を残すだけでも難しい状況です。エドウィン・ディアスやタナー・スコットが契約下にいる一方、接戦の7~8回を任せられる投手の層を維持することが課題になります。
先発陣は山本由伸、ブレーク・スネル、タイラー・グラスノー、佐々木朗希を擁しますが、大谷翔平の投手復帰は健康状態と投球負荷を見ながら進める必要があります。タリク・スクーバルがFAで退団する場合、ローテーションの戦力低下は避けられません。
野手ではカイル・タッカー、アンディ・パヘス、テオスカー・ヘルナンデスが外野の主要選手として残る一方、ホスエ・デポーラに出場機会を与える必要があります。内野ではミゲル・ロハスの引退、マックス・マンシーらベテランの年齢を踏まえ、守備力と機動力をどう補うかも焦点です。
最注目はタリク・スクーバルの再契約|球界最高額級の争奪戦へ
最大の注目選手はタリク・スクーバルです。ドジャースは2026年8月、上位プロスペクトを含む3選手を放出してタイガースから獲得しました。移籍後10先発で防御率2.61と期待に応えましたが、シーズン終了をもってFAになる見込みです。
2026年はタイガースとドジャースで計26先発、防御率2.72。左肘の手術で約6週間離脱しながらもエース級の成績を残しました。市場では山本由伸の12年3億2,500万ドルを超える契約が見込まれており、ドジャース残留への最大の障害は他球団との競合です。
ドジャースがスクーバルを引き留められれば、山本との左右エースコンビが2027年の強力な武器になります。一方で、高額長期契約による投手への集中投資を避け、ブルペンや野手の世代交代に予算を配分する選択肢もあります。獲得可能性を含めて、今オフ最大の分岐点です。
ブルペン補強候補|ベシア、フィリップスの残留か、モレホン獲得か
アレックス・ベシア|最も埋めにくい左腕の穴
ベシアは2026年に72登板、防御率2.64。ドジャースで長年、左打者だけでなく右打者にも対応する重要なリリーフを担ってきました。FAで流出すれば単なる左腕不足ではなく、勝負どころでの継投の選択肢が狭まります。再契約は大きな合理性があります。
エバン・フィリップス|健康状態を見極めた再契約候補
フィリップスはトミー・ジョン手術から復帰した2026年、レギュラーシーズン26イニングで防御率3.46。ポストシーズンでも5登板で3イニングを無失点に抑えました。最盛期の実績だけでなく、復帰後の球威と登板間隔を評価したうえでの契約判断が重要です。
エイドリアン・モレホン|外部FAで狙うなら魅力的な左腕
外部市場で注目したいのがパドレスのエイドリアン・モレホンです。2026~27年オフのFA候補として名を連ねており、同地区球団の戦力を奪いながら左の勝ちパターンを補える点は魅力です。ただし、他球団との争奪戦となる可能性があり、獲得が確実視されているわけではありません。
外野の大型補強はある?アロザレーナと鈴木誠也の適合性
ランディ・アロザレーナ|機動力と攻撃力を補う案
ランディ・アロザレーナは今オフのFA候補で、打線の厚みと走塁面の改善を考えると興味深い存在です。ただし、ドジャースの外野にはタッカー、パヘス、テオスカー・ヘルナンデスがそろっています。新たな大型契約を結ぶなら、既存選手のトレードやデポーラの起用計画と一体で考える必要があります。
鈴木誠也|右打ちの強打者だが守備位置が課題
カブスからFAとなる鈴木誠也も注目される強打者です。右打者の打撃強化という点では魅力的ですが、DHには大谷がおり、外野の枠も埋まっています。鈴木の獲得を優先するなら、単なる上積みではなくテオスカー・ヘルナンデスを含む外野再編が前提となるでしょう。
ジャズ・チザムJr.はドジャースに合うのか?派手さより状況判断が焦点
ヤンキースのジャズ・チザムJr.は2026年に19本塁打、41盗塁、OPS .711を記録しました。二塁守備のOAAはプラス15と優秀で、スピードと守備範囲は魅力です。一方、三振率29.5%と打撃の粗さが残り、守備でも失策や状況判断をめぐる批判がありました。
独特のパフォーマンスや大胆なプレーは、ファンを引きつける個性です。ただ、ドジャースのように勝負どころでの確実な守備や走塁判断が求められるチームでは、目立つプレーよりも再現性と連係が評価の中心になります。派手さそのものが問題なのではなく、積極性が不要なリスクにつながらないかが懸念材料です。
二塁にはトミー・エドマンがおり、起用法の調整も必要です。チザムは能力面では補強候補になっても、打撃・守備の安定性とチームへの適応を考えると優先順位は高くありません。獲得するなら、単なるスター性ではなく具体的な役割を定めたうえでの判断が必要です。
エリー・デラクルーズ獲得説|デポーラとの大型トレードは実現するか
レッズのエリー・デラクルーズをめぐり、ドジャースとの大型トレード案が話題になっています。発端は2026年10月12日、レッズOBのジョーイ・ボットーがSNSで示した「ホスエ・デポーラとデラクルーズの交換」という提案です。球団同士の交渉が公になったわけではありませんが、将来の主力をどう確保するかという観点で興味深い組み合わせです。
デラクルーズは長打力と走力を兼ねる若き遊撃手。レッズが提示した球団史上最大規模の契約延長案を断ったことも、長期的な去就を考える材料になります。ただし、2029年シーズン終了後まで球団が保有権を持つ見込みであり、2026年オフに放出する必要性は高くありません。
ドジャースに加入すれば、遊撃を任せてムーキー・ベッツの守備位置を再調整する構想も浮上します。ベテラン中心の内野に若さと圧倒的な身体能力を加えられる一方、守備の安定性や三振の多さなど、解決すべき課題もあります。
最大の代償はデポーラです。ドジャースが期待する将来の中軸候補を手放せば、外野の世代交代計画そのものが変わります。さらに、レッズ側が一対一の交換で応じる保証もありません。短期的な戦力強化としては魅力的でも、今オフの現実的な最優先補強とは区別して考えたいところです。
大物FAより重要?ホスエ・デポーラの出場機会
見落とせないのが、球団内の若手戦力です。ホスエ・デポーラは2026年9月にメジャー昇格し、ポストシーズンのロースターにも選ばれました。一方、当時の起用は主に代打・DH想定で、本人が外野守備で成長しなければ、大谷のいるチームで定位置を確保することは難しい状況です。
2027年のテオスカー・ヘルナンデスは契約最終保証年を迎えます。長期的にはデポーラを外野に組み込み、パヘス、タッカーとともに次世代の中核に育てる構想も考えられます。今オフのドジャースは、誰を獲るかと同じくらい、誰に打席と守備機会を渡すかが重要なのです。デラクルーズ獲得案は、その将来構想と真っ向から競合します。
2027年ドジャースの理想形|補強の優先順位
理想は、スクーバルとの再契約交渉を最優先で進めながら、ベシアまたは同等の左腕、フィリップス級の右腕を確保することです。大谷の投手復帰が順調でも、ブルペンの層を厚くする価値は変わりません。
野手は大型FAを無条件に積み上げるより、デポーラら若手の守備・打撃成長を見極め、必要ならテオスカー・ヘルナンデスのトレードを含む外野再編に進むのが自然です。デラクルーズのような大型トレードは、ベッツの守備位置とデポーラ放出の代償まで含めて判断すべきでしょう。チザムは身体能力に魅力がある一方、安定したプレーという補強目的に合致するか慎重に見極める必要があります。ドジャースに必要なのはスターの数ではなく、健康状態・守備・年齢・ポストシーズンの継投を見据えた戦力の再配分です。
参考情報
Reds On SI:ボットーによるデラクルーズとデポーラの交換提案(2026年10月13日)
MLB.com:デラクルーズがレッズの契約延長案を断った経緯

