岡本和真が33本塁打、村上宗隆が35本塁打。それでも、2026年のア・リーグ新人王はケビン・マクゴニグルを本命に推します。ナ・リーグはサル・スチュワートが中心ですが、守備で差をつけたJJ・ウェザーホルトも有力です。日本人スラッガーの長打力と、シーズン全体の貢献をどう評価するかが、今年の新人王を考える面白さになります。
2026年10月18日(日本時間)時点の予想です。成績は2026年レギュラーシーズンが対象です。
新人王予想はマクゴニグルとスチュワート――両リーグで違う決め手
ア・リーグでは、出塁を積み重ねた野手と、長いイニングを高水準で投げた先発投手の比較になります。ナ・リーグでは、長打と打点が目立つ打者に、守備・走塁を武器にする選手が挑む構図です。まずは本命と対抗を整理します。
| リーグ | 本命 | 対抗 | ほかの注目候補 |
|---|---|---|---|
| ア・リーグ | マクゴニグル タイガース | パーカー・メシック ガーディアンズ | 村上宗隆/岡本和真 |
| ナ・リーグ | スチュワート レッズ | ウェザーホルト カージナルス | カーソン・ベンジ/ノーラン・マクレーン(ともにメッツ) |
※本命・対抗は筆者の予想です。
ア・リーグ本命はマクゴニグル――18本塁打より出塁率.376を評価
マクゴニグルの強みは、本塁打だけでは測れない打撃の安定感です。打率.278、出塁率.376、OPS.806でシーズンを終えました。18本塁打は岡本・村上より少ないですが、打線をつなぐ働きでは優位に立ちます。
出塁率.376は、村上の.347を.029、岡本の.310を.066上回ります。本塁打では村上と岡本が上回りますが、出塁率では順序が逆になります。長打で走者を返す力に加え、自分が走者になって後続へつなぐ力も評価したいところです。
打撃・守備・走塁などを総合するWARでも、Baseball Reference版のbWARでア・リーグ首位に立ちました。WARがそのまま投票結果になるわけではありませんが、少ない本塁打を理由に評価を下げにくい裏付けです。
対抗メシックは186回1/3、防御率2.56の先発投手
マクゴニグルを追う対抗にはメシックを置きます。32先発で186回1/3を投げ、防御率2.56、193奪三振を記録しました。短期間の好投ではなく、ローテーションの一角として年間を通じて多くのアウトを取った点を評価します。
野手のOPSと投手の防御率を同じ物差しで直接比べることはできません。メシックについては、失点を抑える質と、先発として担った量の両方を見ます。新人王投票で先発投手としての貢献を強く評価する票が集まれば、本命を脅かす存在になります。
村上35本塁打、岡本33本塁打――日本人2人の長打力と課題
村上と岡本は、どちらもア・リーグの新人王候補です。NPBで実績があっても、新人資格はMLBでの過去の打数・投球回・登録日数などで判断されます。日本でのキャリアの長さだけで対象外になるわけではありません。
2人にスチュワートを加え、新人3選手が同じシーズンに30本塁打へ到達したのは初めてでした。日本人2人の成績は、その歴史的な新人クラスの中心にあります。ただし、ナ・リーグ所属のスチュワートは2人と新人王を直接争う相手ではありません。
表とグラフでは、ア・リーグの注目野手3人の2026年レギュラーシーズン成績を比較します。掲載順は本文の説明順です。
| 選手 | 本塁打 | 打率 | 出塁率 | OPS |
|---|---|---|---|---|
| マクゴニグル(DET) | 18 | .278 | .376 | .806 |
| 村上宗隆(CWS) | 35 | .207 | .347 | .825 |
| 岡本和真(TOR) | 33 | .232 | .310 | .762 |

本塁打は本、出塁率は単位なし。両指標を別の軸で表示。2026年レギュラーシーズン、10月18日確認。出典:MLB選手成績。
村上はOPS.825――低打率だけで評価を決めない
村上は35本塁打に加えて、出塁率.347、OPS.825を記録しました。打率.207だけを見ると苦しい一年に見えますが、出塁と長打を合わせると違う姿が浮かびます。この3人ではOPSが最も高く、長距離打者として十分に評価できます。
一方で、右ハムストリングの負傷による35試合の欠場は、年間の貢献を比べる際に無視できません。出場した打席の破壊力と、シーズンを通して積み上げた働きは分けて考える必要があります。本記事では村上を長打力で迫る候補としつつ、総合評価でマクゴニグル、先発としての質と量でメシックを上に置きます。
岡本は33本塁打――球団新人記録でも残る出塁の差
岡本は33本塁打を放ち、ブルージェイズの新人本塁打記録を更新しました。打率.232、OPS.762という結果でも、MLB初年度からこれだけの長打を供給した価値は大きいです。日本で積み上げたパワーが、新しい環境でも武器になることを示しました。
ただし、マクゴニグルとの比較では出塁率が.066低く、OPSでも差があります。33本塁打だけなら本命級の印象を与えますが、打席全体の生産性まで広げると評価は変わります。本記事では岡本を注目候補に挙げるものの、受賞の本命にはしません。
ナ・リーグはスチュワートの32本塁打とウェザーホルトの25 OAAを比較
ナ・リーグの本命はスチュワートです。32本塁打、100打点超という打撃成績を評価します。長打で得点を動かした実績が分かりやすく、新人王投票でも支持を集めると予想します。
ただし、打点は走者を置いて打席に立つ機会にも左右されるため、それだけで優劣は決められません。対抗のウェザーホルトは17本塁打、OPS.704で、長打面ではスチュワートに及びません。一方、二塁守備では25 OAAを記録し、打撃成績に表れない貢献を積み上げました。
OAAは平均的な守備と比べて、どれだけ多くのアウトを取ったかを示す指標です。25 OAAを25本塁打や25打点と同じ価値として足し算することはできませんが、守備で試合に貢献する選手を打撃だけで判断しないために役立ちます。スチュワートの打撃を重く見るか、ウェザーホルトの守備を含めた働きを評価するかで、ナ・リーグの評価が分かれます。
ベンジの走塁とマクレーンの投球も候補に残る
ベンジは22盗塁を記録した外野手で、打撃に加えて走塁の価値も評価します。メッツのもう一人の候補、マクレーンは先発投手として候補に挙がります。スチュワートとウェザーホルトの二択だけに絞ると、異なる役割で貢献した新人を見落としてしまいます。
スチュワートを本命、ウェザーホルトを対抗とする予想でも、ベンジやマクレーンに上位票が集まれば点差は変わります。誰が勝つかだけでなく、どの貢献が票につながるかにも注目したいところです。
10月の活躍は加点されない――新人王は3人への投票で決まる
新人王の投票はポストシーズン開始前に行われます。10月に本塁打を打ったり、重要な試合で好投したりしても、それを見て投票を変更する仕組みではありません。今の予想で見るべきなのは、レギュラーシーズンに何を残したかです。
各リーグ30人の投票者が3選手を選び、1位票に5点、2位票に3点、3位票に1点が与えられます。最多本塁打の選手が自動的に受賞する賞ではなく、異なる評価軸が投票に反映されます。マクゴニグルとスチュワートを本命に置く一方で、対抗選手が上位票をどれだけ集めるかにも注目したいところです。
ほかの主要表彰の予想は、2026年のMVP・サイヤング賞予想で紹介しています。各賞の違いを整理したい場合は、MLBの個人タイトル・主要表彰一覧もご覧ください。


