2026年の現役ドラフトで注目したいのは、岡留英貴、又木鉄平、笹川吉康ら、現在の出番と他球団で担えそうな役割に差がある選手です。防御率がよくても登板が増えない投手、二軍で打席を重ねながら一軍では試される機会が少ない野手には、移籍が転機になる余地があります。
今年の開催日は12月9日(水)です。候補予想で名前が挙がる選手から10人を取り上げ、2026年の成績と獲得後の起用法を考えます。提出リストは非公開で、以下は球団が選出を認めた名簿ではありません。
現役ドラフト2026の注目候補10人一覧
今回は全12球団から機械的に1人ずつ選ぶのではなく、候補予想で名前が挙がり、移籍後の役割を具体的に考えやすい選手を選びました。掲載順は移籍の確率や選手の実力を順位づけしたものではありません。
| 選手・所属 | 2026年一軍成績 | 獲得側が考えたい役割 |
|---|---|---|
| 岡留英貴/阪神 | 13登板・13回、防御率0.69 | 中継ぎから接戦の登板へ |
| 平内龍太/巨人 | 9登板・8回2/3、防御率1.04 | 一軍救援として継続起用 |
| 又木鉄平/巨人 | 5登板・15回、防御率4.80 | 先発ローテーションの競争 |
| 前田純/ソフトバンク | 4登板・20回2/3、防御率3.48 | 先発候補の左腕 |
| 笹川吉康/ソフトバンク | 15試合・36打席、打率.152・0本塁打 | 打席を与えて育てる外野手 |
| 林晃汰/広島 | 11試合・20打席、打率.056・0本塁打 | 打撃で競争する内野手 |
| 澤井廉/ヤクルト | 21試合・51打席、打率.191・1本塁打 | 左の外野打者 |
| 今川優馬/日本ハム | 17試合・50打席、打率.227・4本塁打 | 右の長打を補う外野手 |
| 古田島成龍/オリックス | 10登板・9回、防御率6.00 | 救援の再建と再評価 |
| 廣畑敦也/ロッテ | 4登板・8回、防御率9.00 | 役割を絞って立て直す救援 |
成績は2026年一軍レギュラーシーズン終了時。投手の登板数と野手の出場試合数を記載しています。対象資格は来季年俸や契約形態にも左右され、契約更改後に見方が変わる場合があります。
一軍の中継ぎを増やしたい球団が注目する2人
岡留英貴|13回17奪三振、少ない出番でも内容がある
岡留は、今回の10人の中でも現在の投球内容から獲得理由を説明しやすい右腕です。一軍では13回で17奪三振、2四球。防御率0.69という結果に加え、三振と四球のバランスにも魅力があります。
獲得する側は、まず一軍の中継ぎに組み込み、対戦相手や連投への対応を見ながら役割を広げられます。短いイニングの好成績なので、最初から年間を通した勝ちパターンを約束する評価は避けたいですが、大きな役割変更を前提にしなくてよい点は強みです。
阪神にとっても、好内容の救援投手を残す価値はあります。候補として魅力的であることと、球団が手放しやすいことは別です。岡留を提示するなら、救援の控えを失う代わりに、どのポジションを補いたいかまで問われます。
捕手や野手も含めた阪神の選択肢は、阪神の現役ドラフト候補と補強の狙いで比較しています。
平内龍太|防御率1.04より、一軍と二軍の差を見る
平内は一軍9登板で防御率1.04でした。ただし、投球回は8回2/3です。二軍では29回2/3で防御率4.55、27奪三振に対して18四球と、一軍の数字だけでは見えない課題があります。
新天地で必要なのは、少ない失点をそのまま能力評価に置き換えることより、ストライクを安定して取り、登板ごとのばらつきを抑えることです。二軍の四球の多さを改善できれば、一軍の救援枠で継続して試す意味が生まれます。
獲得側が岡留と平内を同じ「防御率1点前後の投手」と見ると、補強の狙いが曖昧になります。岡留は今季の奪三振と制球の内容、平内は一軍での結果を再現する条件に重点を置いて評価したいところです。
先発の出番を広げられる左腕は又木と前田純
又木鉄平|二軍103回2/3の実績を一軍へ運べるか
又木は、一軍の防御率4.80だけなら目立つ候補には見えません。しかし二軍では103回2/3を投げ、9勝4敗、防御率1.82、86奪三振、23四球を記録しました。まとまった投球回を担い、四球を抑えた点が評価材料です。
移籍先で期待したいのは、春から先発争いに参加し、登板間隔を整えながら一軍の打者への対応を試す起用です。一軍では15回で23安打を許しており、二軍の安定感をそのまま持ち込めるわけではありません。打たれた球種やカウントを分析し、一軍で使える組み立てを作れるかが焦点になります。
巨人が残す判断も十分に考えられます。先発の離脱に備える投手は必要で、二軍で長く投げられる左腕には球団内でも役割があるためです。平内との比較や他の候補は、巨人の現役ドラフト候補・平内と又木の考察で整理しています。
前田純|20回2/3で20奪三振、4四球の左腕
前田純は一軍4登板にとどまりましたが、20回2/3で20奪三振、4四球、防御率3.48でした。試合数が少なくても、三振を取りながら四球を抑えた内容は、先発候補を増やしたい球団が見る材料になります。
又木が二軍で積み上げた投球回を評価する候補なら、前田純は限られた一軍登板で示した投球内容を評価する候補です。どちらも左腕ですが、獲得判断の根拠は異なります。
ソフトバンクが選ぶのは、来季の先発候補として手元に置く価値と、他の戦力へ交換する価値の比較です。先発の枠が埋まっているように見えても、長いシーズンでは控えが必要になります。登板数の少なさだけで放出を予測するのは早いでしょう。
打席を増やせば見え方が変わる野手4人
笹川吉康|二軍9本塁打・26盗塁を一軍の打席へ
笹川は二軍91試合で打率.278、9本塁打、26盗塁。一軍では36打席にとどまりました。長打と走力の両方を持ち、外野の先発候補として一定期間起用する構想を立てやすい選手です。
一方、二軍での出塁率は.309、盗塁刺は11でした。単に出場試合を増やせばよいのではなく、四球を含めて出塁を増やすこと、走る場面の判断を磨くことが課題です。代走だけの起用では、打撃の伸びを確かめる機会が減ってしまいます。
ソフトバンクの外野で競争を続ける道にも価値はあります。獲得側が用意できる打席数と、所属球団が考える将来像の差が大きいほど、移籍の意味も大きくなります。投手・捕手を含む比較は、ソフトバンクの現役ドラフト候補5人で確認できます。
林晃汰|20打席の打率だけで結論を出さない
林の一軍成績は打率.056と厳しい数字ですが、内訳は18打数1安打、20打席です。これだけの機会で打撃の将来性まで判断するのは難しく、継続して試す価値があるかを見極める候補になります。
獲得する球団は、一塁や三塁の競争に加えられるか、代打から先発へ起用を広げられるかを考えたいところです。守る場所が重なる主力が多ければ、移籍しても打席は増えません。左打者が足りないという理由だけでなく、実際にどこで出場させるかまで必要です。
広島側には、林の打撃が伸びれば自軍の補強になるという考え方もあります。他球団が期待する伸びしろは、そのまま所属球団が残す理由にもなります。
澤井廉|51打席16三振、長打を生かすには接点を増やしたい
澤井は一軍21試合、51打席で打率.191、1本塁打でした。47打数9安打のうち二塁打が3本、本塁打が1本と、当たった時に長打になる面がある一方、16三振、2四球という内容です。
獲得側が求めるのは、左の打者を1人増やすこと以上に、長打を打てる打席をどう増やすかです。三振を減らしながら持ち味の強い打球を維持する必要があり、代打の数打席だけでは改善を判断しにくいでしょう。
ヤクルトにも左の打撃戦力を育てる必要があります。移籍後の起用を描ける選手だからこそ、球団が育成を続ける選択にも筋が通ります。
今川優馬|50打席4本塁打、右の長打をどう使うか
今川は50打席で4本塁打を放ち、長打率.523でした。打率.227だけでは見えにくい長打の魅力があり、右打者の厚みを増やしたい球団が検討しやすいタイプです。
ただし、50打席の本塁打ペースを年間成績へ引き伸ばすことはできません。対戦投手や出場場面が変わっても打球の強さを維持できるか、先発と代打を組み合わせてどこまで打席を作れるかが論点です。
少ない出番でも本塁打を打てるなら、日本ハムが手元に置く価値もあります。守備や走塁を重視する外野手との組み合わせまで含め、打線全体で使い道を考えたい選手です。
成績回復を狙う救援候補は古田島と廣畑
古田島成龍|9回で被本塁打2、まず失点の形を見直す
古田島は一軍10登板、9回で防御率6.00。13安打、2本塁打を許し、7奪三振、4四球でした。失点の少ない即戦力として評価するより、投球を立て直せる余地を探す候補です。
被本塁打2本は短い投球回の数字なので、これだけで恒常的な弱点とは決められません。それでも、長打になった球の高さや配球を整理し、空振りや打ち損じを増やす修正ができるかは見たいところです。
移籍先に合うのは、救援の人数不足を埋めるだけでなく、投球の再設計に時間を使える球団だと考えます。オリックス自身が同じ改善を見込むなら、残留して再起を目指す道もあります。
廣畑敦也|8回3奪三振、役割と決め球を定めたい
廣畑は一軍4登板、8回で防御率9.00でした。13安打、3本塁打を許し、奪三振は3。四球は2と多くないため、ストライクを取ることに加え、打者をどう仕留めるかが重要になります。
獲得側は、球種ごとの打たれ方を見て、短い救援で出力を上げるのか、複数回を投げる役割を目指すのかを定めたいところです。今回の少ない登板だけでは最適な起用法までは決められません。
岡留のように今季の好内容から起用拡大を狙う投手と、廣畑のように改善策を具体化してから起用を広げたい投手では、獲得側が必要とする時間も違います。この差を踏まえて選ぶことが、補強後の期待とのずれを小さくします。
注目したいのは「誰が出るか」と「誰が使えるか」の違い
今回の10人で、現在の投球内容を評価したいのは岡留、先発候補として比較したいのは又木と前田純、打席を与えて成長を確かめたいのは笹川です。これは獲得後の使い方についての評価で、提出される確率を示すものではありません。
現役ドラフトでは、他球団が欲しがる選手を提示することが、自軍の獲得機会にも影響します。選手を失う損失を抑えるだけでなく、誰を得るために誰を提示するかという戦略が生まれます。実績のある選手が予想外に動く余地は、この仕組みにあります。
一方、古い予想一覧には、その後に契約状況が変わった選手が残っている場合があります。候補を見る時は、支配下契約や来季年俸などの対象条件も押さえたいところです。出場機会の少なさ、他球団の需要、所属球団が手放せるかの3点を分けると、候補名を並べるだけでは見えない編成判断が見えてきます。
指名順によって獲得できる選手がどう変わるのか、2巡目では何が起きるのかを知りたい方は、現役ドラフトの対象条件・指名順・2巡目の仕組みを読むと、12月9日の結果をより具体的に評価できます。
参考情報
- NPB・2026年度公式戦成績/ファーム成績(各球団の個人投打成績)
- 日刊スポーツ・2026年現役ドラフトの開催日と規定変更
- カルチャ・2026年の候補予想/AkitaMogul・候補予想/現役ドラフトの候補考察(候補として名前が挙がる背景を参照。球団発表とは区別)
情報基準日:2026年11月8日。成績は2026年レギュラーシーズンの確定値です。移籍後の役割と残留価値は本記事の考察です。


