2026年の巨人の推定年俸トップは、約12億円のライデル・マルティネスです。2位の則本昂大、坂本勇人、甲斐拓也の3億円に対して4倍の水準ですが、シーズンの戦力を読み解くには、最高額の守護神と、年俸上位に入らない主力の働きを合わせて見る必要があります。
同額10位までの12選手を一覧にし、2026年の成績と比較します。年俸の高さがどこで成果につながり、どこに起用や戦力構成の課題が残ったのかを整理します。
巨人の年俸ランキング2026|1位はマルティネス、同額10位まで12人
日本人選手の最高額は3億円で3人が並びます。2億円以上は9人おり、突出した守護神の下に、先発投手と実績のある野手が並ぶ構成です。
※2026年11月7日確認。金額は2026年シーズンの推定年俸で、契約総額や2027年の契約更改額ではありません。成績は2026年一軍レギュラーシーズンの確定値です。同額は同順位としています。甲斐拓也は10月30日に楽天への移籍が発表されています。
| 順位 | 選手 | 推定年俸 | 2026年の一軍成績 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ライデル・マルティネス | 12億円 | 57登板・42セーブ・防御率1.38 |
| 2位 | 則本昂大 | 3億円 | 18登板・3勝4敗・防御率4.72 |
| 2位 | 坂本勇人 | 3億円 | 67試合・打率.175・5本塁打 |
| 2位 | 甲斐拓也 | 3億円 | 13試合・打率.100・2本塁打 |
| 5位 | トレイ・キャベッジ | 2億5,000万円 | 103試合・打率.235・13本塁打 |
| 6位 | 戸郷翔征 | 2億4,000万円 | 14登板・5勝3敗・防御率2.48 |
| 7位 | 丸佳浩 | 2億円 | 74試合・打率.220・3本塁打 |
| 7位 | フォレスト・ウィットリー | 2億円 | 14登板・3勝4敗・防御率2.31 |
| 7位 | 吉川尚輝 | 2億円 | 52試合・打率.241・1本塁打 |
| 10位 | 山﨑伊織 | 1億8,000万円 | 6登板・1勝1敗・防御率4.59 |
| 10位 | 小笠原慎之介 | 1億8,000万円 | 11登板・5勝4敗・防御率2.31 |
| 10位 | 大勢 | 1億8,000万円 | 32登板・22ホールド・防御率2.15 |
※年俸はプロ野球データFreakを軸に契約更改資料などと照合しています。マルティネスには12億2,000万円とする資料もありますが、本記事は12億円表記を採用し、比較を統一しています。

2026年の推定年俸、単位:億円。同額10位まで12選手。甲斐はシーズン終了後に楽天へ移籍。確認:2026年11月7日。
この表は、2026年に巨人がどの選手へ大きな年俸を配分していたかを見るものです。オフに移籍した選手を表から外すと、シーズンを支えた契約と実際の成績の関係が分かりにくくなるため、甲斐も含めています。
約12億円のマルティネス|42セーブで「最後の1回」を支える投資
マルティネスは57試合で42セーブ、防御率1.38を記録しました。巨額の年俸に見合う働きを考えるうえで、年間を通して試合の締めくくりを任せられたことが、最も分かりやすい成果です。
守護神の価値は投球回だけでは捉えきれません。リードを守る役割を固定できれば、他の救援投手をその前の回へ配置しやすくなります。ただし、先発や打線がリードを作れなければ、その高い能力をセーブ機会へつなげられません。高額な抑えの獲得は、勝ち越すまでの戦力と組み合わさって初めて生きる投資です。
大勢の推定年俸1億8,000万円を合わせると、2人で約13億8,000万円になります。一方、大勢は32登板、22ホールドで、マルティネスとは年間の登板数に差がありました。名前だけで盤石の終盤と評価せず、二人をどれだけ継続して同じ勝ち試合に起用できたかを見ることも大切です。
12億円という水準を日本球界の歴史と比べるなら、プロ野球の歴代年俸ランキングで、菅野智之や松井秀喜らの高額年俸と、その年の活躍を比較できます。
3億円の則本・坂本・甲斐|同じ年俸でも課題は違う
則本は防御率4.72|先発陣へどれだけ貢献できたか
則本は18登板で61回、3勝4敗、防御率4.72でした。3億円という年俸に対しては、勝敗以上に、先発陣の負担をどれだけ引き受けられたかが評価の焦点になります。
同じ表の戸郷は80回、防御率2.48、小笠原は66回1/3、防御率2.31でした。投球回の確保と失点の抑制は別の評価軸です。低い防御率でも登板が限られれば年間の穴は埋まりませんし、登板しても失点が多ければ救援陣へ負担が回ります。巨人の先発投資は、両方をそろえられたかで見る必要があります。
坂本は2億円減の3億円|実績と現在の役割を分ける
坂本の推定年俸は前年の5億円から3億円へ下がりました。それでも日本人選手の最高額に並びますが、2026年は67試合、打率.175、5本塁打でした。
年俸は過去の実績や契約条件を受けて決まり、その年の成績に後から値札を付けるものではありません。ただ、今後の編成を考える際には、これまでの貢献への評価と、現在どの役割を任せるかを切り分ける必要があります。中心選手として多くの打席を配分するのか、出番を絞って強みを生かすのかで、求める働きも変わります。
甲斐は13試合で楽天へ|年俸と出場機会のずれ
甲斐は2026年に13試合、22打席の出場にとどまり、シーズン終了後の10月30日に楽天への金銭トレードが発表されました。推定3億円の捕手を獲得しても、継続して出場する役割を用意できなければ、戦力としての価値を十分に引き出せません。
打率.100は20打数での結果です。数字だけで能力の低下を断定するより、起用の優先順位と機会の少なさを一緒に考えるべきケースです。また、移籍に伴う費用負担の詳細は明らかでなく、表の3億円がそのまま翌年の巨人の削減額になるとは限りません。
巨人と楽天で役割がどう変わるのかは、甲斐拓也の楽天移籍を出場機会と捕手編成から考察した記事で詳しく整理しています。
2億円前後の主力|年俸を打席と投球回につなげられたか
キャベッジは2億5,000万円で103試合、13本塁打でした。対して、1億5,000万円のダルベックは135試合で25本塁打を記録しています。単純に本塁打だけで優劣は決まりませんが、高い年俸の選手が必ずしも打線の最大の長打源になったわけではありません。
2億円の丸は74試合、145打席で、吉川は52試合、192打席でした。守備位置や起用法が違うため同じ基準で評価はできないものの、主力として予算を配分した選手の出場が限られると、別の選手がその打席や守備を埋める必要が生じます。
投手でも、2億円のウィットリーは81回2/3、防御率2.31、1億8,000万円の山﨑伊織は33回1/3、防御率4.59でした。高額年俸の選手を何人そろえたかに加え、その戦力を一年間で何打席・何イニング使えたかが、配分の成果を左右します。
井上3,800万円、竹丸1,600万円|上位外の働きが戦力を支える
巨人の2026年を高額契約の成否だけで説明すると、先発と救援、遊撃を支えた選手の貢献を見落とします。年俸上位外には、次のような主力がいました。
| 選手 | 推定年俸 | 2026年の一軍成績 |
|---|---|---|
| 井上温大 | 3,800万円 | 23登板・147回・10勝8敗・防御率2.02 |
| 竹丸和幸 | 1,600万円 | 22登板・126回2/3・11勝9敗・防御率3.27 |
| 田中瑛斗 | 4,650万円 | 61登板・42ホールド・防御率1.52 |
| 泉口友汰 | 5,900万円 | 129試合・打率.264・8本塁打・49打点 |
※推定年俸は2026年度契約更改資料・年俸一覧、成績はNPBの2026年確定値。上表は注目選手の抜粋で、年俸順位表ではありません。
井上と竹丸は合わせて273回2/3を投げ、21勝を挙げました。推定年俸の合計は5,400万円です。高額契約の先発候補だけに依存せず、この2人が長いイニングを引き受けたことが、年間の投手運用を考えるうえで大きな意味を持ちます。
救援では田中瑛斗が61試合で42ホールド、遊撃では泉口が129試合に出場しました。給与表の上位にいなくても、試合で大きな役割を担う選手はいます。現在の年俸と、そのシーズンの貢献には時間差があるためです。
ここから考えると、巨人に必要なのは、高額選手の年俸を下げることだけではありません。成果を出した選手の昇給を受け止めながら、次に出場機会を託せる選手を育てることです。年俸の低い主力が活躍する時期を、毎年同じ費用で再現できるとは限りません。
2027年を見るポイント|順位の変化より、役割の再配分
2026年の年俸表から見えるのは、マルティネスへの突出した投資と、複数の高額主力を抱えながら、上位外の選手が多くの出場機会を担った構造です。最高額の選手が働いていても、それだけで全体の投資が十分に生きたとは判断できません。
2027年へ向けては、契約更改による増減と、新たな補強・移籍を分けて追うと理解しやすくなります。甲斐のように所属が変わった選手もいるため、2026年のランキングをそのまま翌年の戦力表として使うことはできません。
注目したいのは、先発の年間投球回、主力野手の打席数、終盤の救援投手の起用、そして井上や泉口らを支える次の戦力です。年俸の上下に加え、誰にどの出番を用意するかを見ることで、補強と世代交代の方向が見えてきます。
巨人の投資規模を他球団と比べたい方は、2026年の12球団年俸総額ランキングも参考になります。個人への配分とは別の視点から、巨人と阪神、ソフトバンクの資金規模を比較できます。


