大谷選手の活躍によって大人気のMLBですが
”ブルペンデー”と呼ばれる投手起用が浸透しています
日本ではあまり聞き馴染みのない言葉ですね
今回はブルペンデーについて簡単に解説していきます
また勝利投手の権利やMLBで浸透している理由についてもまとめていきます
記事の内容
ブルペンデーとは?
先発投手の休養を目的として初回から最終回までリリーフ投手で継投する試合を指します
両チームの約束事ではなく、対戦相手がブルペンデーに合わせる必要はありません
あくまでもチーム都合での起用法となります
また先発投手が不足している場合にも、ブルペンデーを利用する場合もあります
ブルペンデーのメリット
先発投手の休養
先発投手はローテーションで登板するため
MLBではおよそ5日に1回(中4日)のペースで登板機会があります
しかしシーズンを通して投げ続ける場合には、疲労の蓄積が問題となります
そこでブルペンデーを設定することによって、休養を1日余分にとることができ
先発投手の疲労を緩和させ、故障を防ぐことが期待できます
リリーフ投手の調整
先発投手には定期的な登板機会がある一方で
リリーフ投手は試合状況によって登板機会の有無が決まりますので
登板間隔が不定期になりがちです
時には登板間隔が長期間空いてしまうことがあります
登板間隔が長引くと試合感覚に支障をきたす可能性がありますので
ブルペンデーで多くのリリーフ投手を起用することは
登板間隔を調整できる点でメリットがあります
戦略的優位性
ブルペンデーでは通常よりも多くの投手が登板しますので
1人あたりの投球イニング数は少なくなります
そのため各投手は体力の温存を考えずに、全力投球で打者と対峙することができます
また相手打線の巡り合わせに応じて、相性の良い投手を割り当てることもできますので
時には試合を有利に進めることができます
もちろん登板する投手の中に不調の選手がいた場合には、大量失点のリスクもありますので
首脳陣の継投タイミングが重要です
ブルペンデーのデメリット
選手層の厚さが必要
ブルペンデーでは多くのリリーフ投手が登板するため
力の劣る投手が登板すると、一気に試合をひっくり返される危険があります
そのため強力なリリーフ投手が多数在籍しているチームでなければ成立しない戦略です
継投タイミングの難しさ
ブルペンデーでは多くの投手交代が発生しますので
首脳陣は試合の流れを読んで、適切な投手を起用する必要があります
継投ミスによって敗戦するケースは頻繁にみられますので
監督・投手コーチの力量が試されます
プランニングの難しさ
ブルペンデーではあらかじめ各投手の投球イニングが決められています
しかし予定イニングを投げ切れない投手がいた場合には
当初のプランを即座に修正し、新たなプランを立てる必要があります
オープナーとの違い
似た用語として”オープナー”がありますが意味合いは異なります
オープナーは初回こそリリーフ投手が登板しますが
後続の投手には先発投手を起用し、長いイニングを投げさせます
よってリリーフ投手で1試合を継投するブルペンデーと異なります
勝利投手の権利は?
ブルペンデーで中継ぎ投手陣が最終回まで継投した場合
審判団が投球内容を評価し
”最もチームの勝利に貢献した”と判断された投手に、勝利投手の権利が与えられます
ただしセーブを記録した投手は除外されます
他にも細かい条件設定があるのですが、特殊なケースですので
以上の条件を理解しておけば問題ありません
考察
日本で採用されない理由
ブルペンデーが日本で禁止されているわけではありませんが
実際のところ目にする機会は稀です
直近では2023年7月にロッテが採用しました
理由として考えられるのは
日本の先発投手には十分な休養が与えられていることです
メジャーでは中4日(次回登板まで4日の休み)が主流ですが
日本では中6日が主流ですので先発投手の登板間隔が長いです
日本の先発投手の登板間隔が長い理由は年間試合数の少なさにあります
メジャーでは年間で162試合を消化するのに対して日本では143試合です
期間にして1か月ほどの違いがあります
また日本の国土面積が狭いため試合のための移動時間も比較的短くなります
よってMLBと比較してNPBの先発投手陣は十分な休養をとれており
ブルペンデーのメリットが薄いために、採用されないと考えられます
まとめ
今回はメジャーリーグの試合でよく耳にするブルペンデーについて解説しました
日本ではあまり馴染みのない起用法ですが
MLBでは先発投手の休養や戦略的観点から、広く浸透している戦略です
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!