大谷選手の活躍で人気のMLBですが
様々なスター選手が活躍しています
規格外のパワーをもつスラッガーや
170キロに迫る剛腕投手
陸上選手顔負けの俊足選手や
守備の名手など
多様な特徴をもった選手が在籍しています
そのような選手達の活躍度を
同じ指標で表現できるのが
”WAR(ウォー)”です
「その選手が試合に出場しなかった場合の負け数」を表す指標で
MVPを決める際にも重視されます
本記事では2025年シーズンにおける
WARランキングと推移を紹介します
またWARの基本についても解説します
なおランキングは随時更新してきます
2024年のWARランキングと推移は
別記事でまとめましたのでご覧ください
2024年のMVPランキングと
WARについては以下の記事をご覧ください
記事の内容
WARの基本知識
WARとは?
WARはWins Above Replacementの略です
日本語で分かりやすく補足すると
「その選手が試合に出場しなかった場合の負け数」を表します
例えば2024年シーズンにおける
大谷選手のWARは9.2で
リーグ1位の成績を残しました
この場合もしも大谷選手が欠場した場合
チームは9勝を失ったと考えられます
大谷選手の活躍は
チーム9勝分と評価されたことになります
レギュラー選手の平均は2.0前後ですので
大谷選手の価値の大きさが良く分かります
以上がWARの簡単な意味です
WARの計算方法(初心者向け)
WARについてもう少し詳しく説明します
WARはざっくりと以下の式で計算されます
WAR(総合貢献)=攻撃貢献+守備貢献+投球貢献+補正値
それぞれの数値について簡単に解説します
攻撃貢献
攻撃貢献は打撃と走塁の合計値と考えます
打撃貢献
平均的な打者と比較して
増加させた得点数(wRAA)を用います
これに球場の補正を加えて攻撃貢献とします
球場によって得点の難易度が異なるためです
走塁貢献
平均的な走者と比較して
増加させた盗塁による進塁数(wSB)と
ベースランニングによる進塁数(UBR)を合わせて評価します
守備貢献
守備範囲の広さや肩の強さ
送球の正確性などを考慮した
守備の総合指標であるUGRを用います
ただしキャッチャーについてのみ
盗塁阻止率等を考慮した数値を使用します
投球貢献
守備の影響を排除した失点率(tRA)を用います
また投手としての役割(先発・中継ぎ)や
本拠地登板・敵地登板の影響も考慮されます
補正値
守備位置補正
守備位置による公平性を保つ補正値です
以下の順で守備の難易度が高いと考えられるため、補正値も高く設定されます
キャッチャー>ショート>センター>セカンド>サード>ライト>レフト>ファースト>DH
代替水準対比補正
統計的な補正値です
野球の能力とは無関係の数値ですので
ここでは解説を割愛させていただきますが
打席数に比例する数値ですので
打席に立つ回数が多いほど数値は良くなります
登板イニング数にも比例します
WARの注意点
WARは選手の能力を評価する指標ではなく
チームへの貢献度を評価する指標です
出場試合数が多くなるほど
WARが上昇することからも明らかですね
また以下のような弱点も指摘されています
決まった計算方法が無い
現状でWARの計算方法は定まっていません
例えばアメリカで一般的に利用されているのは
FanGraphsが算出しているfWARと
Baseball Referenceが算出しているrWARです
それぞれ選手の総合貢献を表す指標ですが
微妙に計算式が異なるため
2つのWARは数値が異なります
WARを議論する際には
fWARとrWARの両方を参照する必要があります
公平性に議論の余地あり
WARのランキングをみると
投手の評価が低く出る傾向があります
またポジション補正値の設定にも
議論の余地があります
よって選手の総合力を示す指標ではあるものの
現状では異なるポジションの選手同士を
完璧に比較することは難しいと考えられます
日本プロ野球でも導入されている?
NPBはMLBと比較して
データの活用面で後れをとっています
MLBでは各球場に無数のセンサーを配置し
打球速度や角度・選手の動きなどを全て記録し
それらのデータを活用するとともに
一般にもそれらを無償で公開しています
日本でもWARを算出する企業が登場し
徐々にWARが浸透していますが
まだまだ発展途上と言えそうです
2024年MVPとWARの関係

MVP投票結果とWARランキングは
よく一致しています
2024年の例をみても
WARとMVPの関係が強いことが分かります
2025年最新WARランキング(随時更新)
rWAR

Baseball Referenceが公表するrWARをまとめました
選手の総合貢献を示すrWARの他に
選手の攻撃貢献と守備貢献も掲載しました
WARは攻撃貢献と守備貢献から計算されます
投手の場合は投球貢献のみから計算されます
fWAR


FanGraphsが公表するfWARをまとめました
FanGraphsは数値の詳細を公表しておらず
攻撃・守備面での貢献評価は不明です
そのためfWARのみを掲載しました
ア・リーグMVP候補
アーロン・ジャッジ
所属:ヤンキース
ポジション:外野
現役最強スラッガーです
2024年は58本塁打を放つなど
本塁打・打点の2冠に輝き
ア・リーグMVPを獲得しました
2025年もMVPの大本命です
ボビー・ウィットJr.
所属:ロイヤルズ
ポジション:ショート
若きスター選手です
2024年はメジャー3年目ながら
トリプルスリーを達成しました
また首位打者のタイトルに加えて
ゴールドグラブにも輝くなど
攻守で躍動しました
2025年はジャッジ選手の対抗馬として
さらなる飛躍が期待されます
ガナー・ヘンダーソン
所属:オリオールズ
ポジション:ショート
期待の大型ショートです
2024年はメジャー定着2年目ながら
37本塁打を放つ活躍をみせました
またショートの守備や走塁でも
メジャートップレベルの成績で
ポテンシャルの高さをみせつけました
2025年はさらなる活躍に期待です
ナ・リーグMVP候補
大谷翔平
所属:ドジャース
ポジション:DH/投手
世界最高の二刀流選手です
2024年は史上初の50本塁打50盗塁を達成し
本塁打・打点の2冠に輝くなど活躍し
DH専任選手として初のMVPに輝きました
2025年は投手としての復帰が予定されており
投打での活躍が期待されます
2025年のMVP大本命です
ムーキー・ベッツ
所属:ドジャース
ポジション:ショート
走攻守にハイレベルなスター選手です
2024年はMVPの本命として期待されましたが
6月に受けた死球で骨折し
2か月の離脱を余儀なくされました
しかし復帰後は圧倒的な成績で
シルバースラッガー賞を獲得しました
例年走攻守で安定した成績を残す選手で
2025年もMVP獲得が期待されます
フアン・ソト
所属:メッツ
ポジション:外野
若きスーパースターです
2024年はヤンキースの主軸として活躍し
シルバースラッガー賞を獲得するなど
MVP投票では3位にランクインしました
オフには大谷選手を超える
史上最高額の大型契約を結び
MLB最高峰の選手としてプレーします
歴代契約金ランキングについては
別記事でまとめましたのでご覧ください
まとめ
今回は2025年シーズンにおける
最新のWARランキングをまとめました
ランキングは随時更新していきます
大谷選手の3年連続
通算4度目のMVP獲得なるでしょうか
ここまでお付き合いいただきありがとうございました