大谷選手の活躍で大人気のMLBですが
2024年シーズン終了後に注目されるのがFA(フリーエージェント)選手の動向です
MLBはトレードも含めて選手の移動が盛んなため
キャリアの大半を1つのチームでプレーすることは稀です
2023年オフにはFA権を獲得した大谷選手がドジャースに移籍したように
2024年オフにもスター選手達の移籍に注目が集まります
今回は2024年オフにFA移籍が噂されるスター選手達をランキング形式でまとめます
またFAの仕組みやNPBとMLBとの違いについても解説していきます
FA制度の基本
FA(フリーエージェント)とは?
FA(フリーエージェント)とは全球団との契約交渉権を得た選手を指します
通常は所属球団とのみ契約交渉が可能となりますが
一定条件を満たした選手はFA権を付与されることで他球団との契約交渉が可能となります
なお自由契約となった選手や契約が切れる選手も広い意味ではFA選手です
MLBでのFA権取得の条件
アクティブロースター枠に6年間(1032日)登録されると自動的にFAとなります
アクティブロースターにはメジャー契約を結ぶ40人の選手が登録されており
172日(レギュラーシーズンは例年180日以上)を1年間と考え
登録期間が6年間(1032日)を超過した選手はそのシーズン終了後にFA権を得ます
なお故障者リスト(IL)や出場停止の場合にはアクティブロースターから外れますが
FA権取得の際の登録期間には加算されます
複数年契約中にFA権を取得した場合
契約に縛りがなければ契約期間中であってもFA権を行使できます
しかし大半のケースではFA権を行使できないような契約内容になっていますので
通常は複数年契約終了後にFAとなるケースがほとんどです
ルーキーとFA制度
期待のルーキーに長い期間在籍してもらうために
シーズン開幕時のメジャーデビューを避けるケースが多いです
例えばシーズン開幕と同時にメジャーデビューを果たした選手は
そのタイミングでアクティブロースター枠に追加されます
その場合6年目のシーズン終盤にFA権を獲得するため
6年目のオフにFA移籍が可能となります
これを避けるためにシーズン中盤以降でメジャーデビューさせることで
7年目のシーズン序盤にFA権を獲得させます
球団としては若手有望株を1年長く在籍させることができます
ちなみに1度アクティブロースター(40人)に追加されると
ロースターから外す際にはDFA(事実上の戦力外)とする必要があり
他球団が当該選手を獲得できる状態になってしまいます
よって1度アクティブロースター枠に追加した若手有望株を除外する可能性は低いです
クオリファイング・オファー(QO)
FAとなる選手に対して所属球団が1年契約を提示する制度です
契約金額はMLBの年俸上位125選手の平均額となります
選手がこのオファーを拒否し他球団に移籍した場合には
所属元球団がFA移籍の見返りとしてドラフト指名権を受け取ることができます
高い年俸を受け取っている選手にとっては大幅なダウン提示となりますが
球団側が契約期間・契約金額を設定できる余地はなく
あくまでも形式上のオファー(ドラフト指名権を得るための)であるため
オファーを拒否する選手がほとんどです
基本的にはチームの資金力が乏しく
スター選手を引き止めることのできない球団向けに作られた制度で
QOを受けられる選手はQOを受けたことのない選手に限られます
2024年FA選手ランキング
1位 フアン・ソト
所属:ヤンキース
ポジション:外野
若きスター選手で高い出塁率と長打力をもつスラッガーです
2023年より1年契約でヤンキースに移籍しましたが
期待通りの活躍でチームのプレーオフ進出に貢献しました
2018年にメジャーデビューを果たしましたが
首位打者獲得に加えて4度のオールスターメンバーに選出されています
獲得のためには大谷選手クラスの超大型契約が必要とみられています
ヤンキースとの再契約が噂されていますが
メッツ・ジャイアンツも興味を示しているとのことです
2位 コービン・バーンズ
所属:オリオールズ
ポジション:投手(先発)
多彩なキレのある変化球と制球力に定評があるサイヤング賞右腕です
完成度の高い投手でこれまで最多勝・最多奪三振のタイトルを獲得してきました
またMLB記録となる10者連続奪三振記録保持者でもあります
オリオールズのエースとして活躍し安定した投球を披露してきました
オリオールズとの再契約が期待されますが
メッツ・レッドソックスも興味を示しているとのことです
3位 ブレイク・スネル
所属:ジャイアンツ
ポジション:投手(先発)
2度のサイヤング賞受賞を果たしたMLB屈指の左腕です
最速160キロの速球に加えて変化量の大きいカーブなどキレのある変化球を操ります
若干の荒れ球ですが高い奪三振率を誇る本格派左腕です
2024年にはノーヒット・ノーランを達成するなど活躍しました
ジャイアンツ・パドレス・レンジャースが興味を示しているとのことです
4位 アレックス・ブレイグマン
所属:アストロズ
ポジション:サード
長年強豪アストロズを支えたスラッガーです
安定して30本前後の本塁打を放つ長打力に加えて
高いコンタクト率が魅力の選手です
守備力も高いため攻守に高い能力をもちます
アストロズとの再契約の可能性もありますが
ダイヤモンドバックス・マーリンズも興味を示しているとのことです
5位 マックス・フリード
所属:ブレーブス
ポジション:投手(先発)
強豪ブレーブスの本格派左腕です
最速160キロに迫る速球と多彩な変化球を操り高い勝率を誇る投手です
ゴロを量産する投球スタイルで長打を打たれにくい一方で
フィールディングにも定評があり複数回のゴールドグラブを獲得しています
カブス・パドレス・レンジャースが興味を示しています
6位 アンソニー・サンタンダー
所属:オリオールズ
ポジション:外野
強豪オリオールズの主軸を任される長打力が魅力のスラッガーです
2024年シーズンはキャリアハイとなる44本塁打を放つなど
持ち前の長打力を存分に発揮しました
打撃の確実性や守備力には課題の残る選手ですが
アーチストとしての素質を十分に備えた選手です
カージナルス・ガーディアンズ・フィリーズなどが興味を示しています
7位 ピート・アロンソ
所属:メッツ
ポジション:ファースト
圧倒的なパワーが魅力のメッツの主砲です
2019年のルーキーイヤーに53本の本塁打を放ちMLBの新人記録を塗り替えました
ホームランダービーでは2度の優勝を果たすなどMLB屈指のパワーを誇ります
メッツとの再契約の可能性もありますが
アストロズ・カーディナルスが興味を示しています
8位 ウィリー・アダムス
所属:ブルワーズ
ポジション:ショート
強打の遊撃手として評価の高い選手です
選球眼が良く出塁率の高さが魅力です
守備力は平均的ですが肩の強さには定評があります
ドジャース・メッツ・レッドソックスなどが興味を示しています
9位 ジャック・フラハティ
所属:ドジャース
ポジション:投手
2024年シーズンにブレイクを果たした技巧派右腕です
2024年シーズン途中にドジャースへ移籍し安定した投球を披露しました
制球力が高く大崩れしない投手です
球速は平凡ですが変化球の精度が高く奪三振率も優秀です
ドジャースが契約を延長する可能性もありますが
メッツやレッドソックスも興味を示しています
10位 タナー・スコット
所属:パドレス
ポジション:投手(リリーフ)
力のある速球が武器のセットアッパーです
2024年シーズン途中にマーリンズ→パドレスにトレード移籍しました
160キロを超える力のある直球とスライダーで打者を圧倒します
制球力に課題があるものの長打を打たれない投手です
ブルージェイズ・フィリーズ・ヤンキースが興味を示しています
2024年FA選手(番外編)
佐々木朗希
所属:千葉ロッテ
ポジション:投手
日本が誇る若き本格派右腕です
最速165キロの直球と切れ味するどいフォークが武器です
速球派投手ながら制球力も高く安定した投手です
ポテンシャルの高さは日本球界No.1とも言われますが
怪我が多くシーズンを全うできない懸念があります
MLBの規定でマイナー契約となり(メジャーでの登板可能)
契約金が低いためほぼ全ての球団が獲得に乗り出すと思われます
ドジャース・オリオールズ・ヤンキースなどの強豪球団が興味を示しています
菅野智之
所属:巨人
ポジション:投手
長年日本のエースとして国際大会でも活躍した右腕です
ジャイアンツのエースとして長らく君臨してきましたが
ここ数年は年齢の影響もあり成績を落としていました
しかし2024年シーズンは見事に復活を遂げメジャー挑戦を表明しました
高い制球力と切れ味鋭いスライダーが武器で
フィールディングなどの技術も高い投手です
菊池雄星
所属:アストロズ
ポジション:投手
MLBでコンスタントに活躍する本格派左腕です
2024年シーズン途中に強豪アストロズに移籍しました
移籍後は高い奪三振の能力が存分に発揮され安定した投球を披露し
FA市場での価値を存分に高めました
アストロズと再契約する可能性もあります
テオスカー・ヘルナンデス
所属:ドジャース
ポジション:外野
広角にホームランを打てる右の大砲です
2023年オフにドジャースへ移籍すると
期待以上の活躍でチームの地区優勝に貢献しました
勝負強い打撃や長打力が魅力である一方で
走力もメジャー平均以上の成績を残しています
ドジャースとの再契約の可能性もあり本人も残留を希望しているとの報道がありますが
契約次第では他チームへ移籍する可能性もあります
マックス・シャーザー
所属:レンジャース
ポジション:投手
MLBのレジェンドとして輝かしい実績をもつ大投手です
過去には3度のサイヤング賞を含む数々のタイトルを獲得しています
40歳を超えて球威の衰えは顕著ですが
今尚第一線で活躍できる能力を維持しています
2025年のFA選手について(考察)
投手
先発投手の目玉はバーンズ・スネル・フリード選手の3人です
3投手ともMLB全球団でエース格として活躍できる実力者で
年齢も30代前半と若いため長期での活躍も期待できます
一方で獲得のためには超大型契約が必要となりますので
移籍先は資金力が豊富な球団に限られそうです
その他にはフラハティ・菊池・佐々木選手の評価も高いです
特に先発左腕が不足気味な2024年オフのFA市場においては
菊池投手の市場価値が高いと考えられます
リリーフ投手陣の注目はスコット選手です
FA市場では左のリリーフ投手が圧倒的に不足しており
スコット選手の価値は群を抜いています
野手
野手の目玉はソト・ブレイグマン選手です
特にソト選手は若くしてスターに上り詰めた逸材ですので
大谷選手クラスの超大型契約が予想されます
ブレイグマン選手も攻守共に素晴らしい選手です
他にもアロンソ・サンタンダー・アダメス・ヘルナンデス選手も
実績実力ともに申し分なく移籍先に注目が集まっています
ソト・ヘルナンデス・サンタンダー選手は強打の外野手として似たタイプですので
同じような球団が獲得交渉に乗り出すと予想されます
NPBの日本人選手
目玉は佐々木選手です
契約金を抑えられることからほぼ全ての球団が獲得を希望すると思われます
菅野・小笠原・青柳選手もMLB挑戦を表明していますが
メジャー契約を勝ち取れるかは不透明です
最悪の場合マイナー契約でのMLB挑戦となりそうです
NPBとMLBのFA制度の違い
FA権取得までの期間
MLBではメジャーデビュー(ロースター入り)から最短6年間でFA権を取得できます
一方NPBでは8年間(社会人入団者は7年間)のプレーが必要です
さらに1軍登録の日数でFA権取得ための日数が計算されますので
2軍に降格した日数(怪我による降格は除く)は除外されてしまいます
つまりFA権取得までの期間はNPBの方が長くなります
FA権の行使
MLBではFA権を獲得した選手は自動的に権利が行使されます
よって選手の判断でFA権の行使を先延ばしにすることはできません
一方NPBではFA権の行使は選手の判断に一任されます
そのため選手によってはFA権の行使を先延ばしにし
FA権を取得してからも所属球団に在籍し続けます
FA移籍の代償
MLBではFA移籍によって主力選手が移籍した場合
その戦力ダウンへの代償はドラフト指名権で払われます
ちなみにMLBのドラフト指名順は前年のチーム成績で決定します
例えばワールドシリーズ優勝チームは30番目の指名順位となります
一方でNPBでは戦力ダウンへの代償が選手の移籍によって払われます
いわゆる人的保障制度です
移籍元の球団は移籍先の球団からプロテクトされていない選手を選択し獲得できます
プロテクトできる選手は28名ですので有望な選手が流出する危険があります
選手ではなく金銭で代償を支払うこともできますし
年棒が低い選手の移籍の場合には人的・金銭補償は発生しませんが
NPBのFA移籍には大きな代償が伴うケースがほとんどです
まとめ
今回は2024年オフにFA移籍が噂されるスター選手達をまとめました
またFAの仕組みやNPBとMLBとの違いについても解説しました
シーズン終了後も戦力補強への動きが活発なMLBですので
選手達の動向には要注目ですね
FA移籍が確定しましたら記事を更新していきますので
ぜひ定期的にチェックしてくださいね
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!