今回の侍ジャパンは、髙橋宏斗・金丸夢斗を軸とする投手陣と、正木智也・山口航輝らを中心とする打線でアジアの頂点を目指します。井口資仁監督の初陣となる「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」は、11月12日から15日まで東京ドームで開催されます。代表28人の一覧と注目7選手、大会の仕組みを押さえると、若手の登竜門としての面白さが見えてきます。
メンバー・大会情報は2026年11月6日現在。選手成績は2026年NPB一軍レギュラーシーズンの最終成績です。
侍ジャパンのメンバー一覧|投手13人、野手15人の28人
今回の代表は、投手13人、捕手3人、内野手7人、外野手5人の計28人です。10月7日に発表された出場選手を、ポジション別に紹介します。
投手|13人
| 背番号 | 選手 | 所属球団 |
|---|---|---|
| 11 | 吉田聖弥 | 中日 |
| 12 | 竹丸和幸 | 巨人 |
| 14 | 石田裕太郎 | DeNA |
| 16 | 武内夏暉 | 西武 |
| 19 | 髙橋宏斗 | 中日 |
| 21 | 金丸夢斗 | 中日 |
| 22 | 髙太一 | 広島 |
| 26 | 鈴木豪太 | ソフトバンク |
| 28 | 松本健吾 | ヤクルト |
| 45 | 九谷瑠 | 楽天 |
| 47 | 森田駿哉 | 巨人 |
| 52 | 篠原響 | 西武 |
| 56 | 中森俊介 | ロッテ |
捕手|3人
| 背番号 | 選手 | 所属球団 |
|---|---|---|
| 5 | 松尾汐恩 | DeNA |
| 7 | 小島大河 | 西武 |
| 33 | 進藤勇也 | 日本ハム |
内野手|7人
| 背番号 | 選手 | 所属球団 |
|---|---|---|
| 1 | 宗山塁 | 楽天 |
| 8 | 渡部聖弥 | 西武 |
| 10 | 佐々木泰 | 広島 |
| 25 | 庄子雄大 | ソフトバンク |
| 31 | 正木智也 | ソフトバンク |
| 51 | 山口航輝 | ロッテ |
| 54 | 山縣秀 | 日本ハム |
外野手|5人
| 背番号 | 選手 | 所属球団 |
|---|---|---|
| 4 | 度会隆輝 | DeNA |
| 6 | 西川史礁 | ロッテ |
| 44 | 佐々木俊輔 | 巨人 |
| 63 | 長谷川信哉 | 西武 |
| 69 | 辰見鴻之介 | 広島 |
ポジションは今大会の代表登録区分です。正木智也・山口航輝は内野手登録で、所属球団での選手区分とは異なります。球団名は略称です。
監督・コーチ|井口資仁監督と田口壮ヘッドが率いる
| 役職 | 氏名 |
|---|---|
| 監督 | 井口資仁 |
| ヘッド兼打撃コーチ | 田口壮 |
| 投手コーチ | 大塚晶文、倉野信次 |
| バッテリーコーチ | 村田善則 |
| 内野守備走塁コーチ | 本多雄一 |
| 外野守備走塁コーチ | 河田雄祐 |
井口監督は合宿初日に、2027年のプレミア12、さらに2028年ロサンゼルス五輪を見据えたチームづくりの考えを選手へ伝えています。所属球団と異なる役割を任せる可能性にも触れており、普段の実績を代表の起用法にどう生かせるかが選手に問われます。
注目7選手|WBC経験のある投手と、打線の軸になる野手
髙橋宏斗|135奪三振を生んだ球威が短期決戦の武器
投手陣で最も注目したいのは、中日の髙橋宏斗です。今季は19登板で5勝7敗、防御率2.62。123回2/3を投げ、投球回数を上回る135奪三振を記録しました。
勝敗だけでは伝わりにくい強みが、自力でアウトを取る能力です。走者を背負っても三振で打球を発生させずに切り抜けられる投手は、1点の失点が重い試合で頼りになります。大会では、追い込むまでに球数を使いすぎず、決め球へつなげられるかを見たいところです。
金丸夢斗|5勝12敗より、160回2/3と34四球に注目
同じ中日の金丸夢斗は、25登板で5勝12敗、防御率2.91でした。160回2/3で146奪三振、34四球という数字に、先発として試合を組み立てる力が表れています。
敗戦数が勝利数を大きく上回った一方、与えた四球は投球回数に対して少なく、無駄な走者を増やしにくい内容です。髙橋と金丸はともに今年のWBCメンバーで、国際大会を経験した投手としてもチームを支えます。金丸については、相手の右打者にもストライクを先行させ、打順が一巡した後も同じテンポを保てるかが見どころです。
正木智也|28本塁打の打者を1番に置く意味
ソフトバンクの正木智也は、今季101試合で打率.274、28本塁打、出塁率.372を記録しました。井口監督は、オーバーエイジ枠で招集した正木を1番で起用する方針を明かしています。
長打のある打者に多くの打席を回しつつ、出塁力も先頭で使う構想と捉えられます。60四球を選んだ今季の内容を踏まえると、初回から本塁打を狙うだけでなく、相手投手にストライクを投げさせて後続へつなぐ働きにも期待できます。1番打者を足の速さだけで選ばない点が、今回の打線の面白さです。
山口航輝|38本塁打の4番候補が担う得点の仕上げ
ロッテの山口航輝は、113試合で打率.277、38本塁打、81打点、長打率.602という成績でした。正木と同じくオーバーエイジ枠で選ばれ、井口監督は4番での起用方針を示しています。
正木が打線の入口なら、山口は走者を得点に変える役割です。相手が長打を警戒して低めや外角へ集めたときに、ボール球を追わず打てる球を待てるかが重要になります。正木と山口の間を打つ選手が出塁できれば、序盤から相手の先発に大きな圧力をかけられます。
宗山塁|68試合で8本塁打、遊撃手としての総合力を見る
楽天の宗山塁は、今季68試合で打率.278、8本塁打、出塁率.342を記録しました。前年は122試合で3本塁打だったため、出場試合数が少ない中でも本塁打を増やした点が目を引きます。
今大会で見たいのは、打撃と二遊間の守備を合わせた貢献です。慣れていない投手の打球傾向や他球団の内野手との連係を短期間でつかめれば、代表で遊撃を任せる判断材料になります。打順が下位になった場合も、長打と出塁で正木ら上位へ打線を戻せるかに注目です。
松尾汐恩|捕手3人の競争は打撃だけでは決まらない
DeNAの松尾汐恩は、今季89試合で打率.248、4本塁打でした。小島大河、進藤勇也とともに、他球団の投手を短期間で理解し、持ち味を引き出す役割を担います。
合宿では松尾と小島が初めてピッチコムを使用し、操作への適応に取り組んでいます。サイン伝達の手順を覚えるだけでなく、投手が投げたい球と捕手が要求する球をそろえる作業も必要です。松尾を見るなら打席の結果に加え、走者を置いた場面で落ち着いて配球と守備を進められるかを押さえたいです。
西川史礁|打率.290に加え、出塁率が.353へ上昇
ロッテの西川史礁は、今季136試合で打率.290、8本塁打、53打点を記録しました。前年の打率.281、出塁率.318から、今季は出塁率.353へ伸ばしています。
安打を打つ力に加えて、四球が前年の16個から41個へ増えた点も魅力です。初対戦の投手が続く大会では、早いカウントから打つ積極性と、難しい球を見送る判断を両立できるかが試されます。中軸の前で出塁する役でも、中軸の後ろで走者を返す役でも、打線をつなぐ候補として見たい選手です。
アジアプロ野球チャンピオンシップ2026とは?|若手中心の4チームが対戦
アジアプロ野球チャンピオンシップは、若手選手の発掘や国際経験の機会を広げる大会です。2017年と2023年は日本が優勝しており、今回は大会3連覇がかかります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026 |
| 開催期間 | 2026年11月12日(木)〜15日(日) |
| 会場 | 東京ドーム |
| 参加チーム | 日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア |
| 大会方式 | 4チームの予選総当たり後、上位2チームが決勝、下位2チームが3位決定戦 |
| 登録人数 | 各チーム28人 |
参加資格|24歳以下「または」入団3年目まで
基本の参加資格は24歳以下、または入団3年目までです。両方の条件を満たす必要はなく、若手中心の大会でも25歳以上の選手が出場できます。これに加えて、29歳以下の選手を最大3人まで登録できるオーバーエイジ枠があります。
チーム編成が困難な場合は、他団体の了承を得て25歳以下・2001年1月1日以降生まれの選手も登録可能とする例外が案内されています。
大谷翔平らMLBのスターを含むWBC代表とは、編成の前提が異なります。年齢や入団年数を限ったチームで、次の代表主力を探す場として見ると位置付けが分かりやすいです。大会の規模や出場選手の違いは、2026年WBCの大会形式と各国のスター選手と見比べると整理できます。
タイブレークは無死一、二塁|捕手と二遊間の連係も勝負を分ける
公表されている試合規定には、全試合DH制、9回終了時に同点なら無死一、二塁から始めるタイブレーク、ピッチコムの使用などがあります。決勝を除き、7回以降に10点差以上でコールドゲームとなる規定も示されています。
タイブレークでは、最初から得点圏に走者がいます。投手の奪三振能力と同時に、捕手の送球判断や内野陣の連係も試合を左右します。打者も長打だけでなく、走者を進める打撃や四球の価値が高まるため、所属球団での打順とは別の役割への適応が見どころになります。
試合規定は主催団体の協議で最終決定予定です。ピッチクロックの導入も案内されていますが、秒数は調整中とされています。
日本戦の日程|11月12日に台湾戦、14日は正午開始
日本は台湾、韓国、オーストラリアの順で予選を戦います。上位2チームに入れば、15日夜の決勝へ進みます。以下の時刻はすべて日本時間です。
| 日付 | 開始時刻 | 対戦・ラウンド |
|---|---|---|
| 11月12日(木) | 19:00 | チャイニーズ・タイペイ 対 日本 |
| 11月13日(金) | 19:00 | 日本 対 韓国 |
| 11月14日(土) | 12:00 | オーストラリア 対 日本 |
| 11月15日(日) | 11:00 | 3位決定戦:予選3位 対 予選4位 |
| 11月15日(日) | 19:00 | 決勝:予選1位 対 予選2位 |
予選3試合と順位決定戦を4日間で戦うため、先発に加えて救援陣も計画的に起用したい日程です。救援投手をどこで使うか、守備固めや代走で誰を残すかまで含め、28人の役割分担が表れます。先発投手や各試合の打順は、正式な発表を待つ必要があります。
宮崎合宿は11月9日まで|7日ロッテ戦、8日広島戦で実戦確認
侍ジャパンは11月3日から9日まで、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で事前合宿を行っています。5日は休養日で、7日はロッテ、8日は広島との練習試合がそれぞれ13時開始の予定です。
練習試合では、得点や失点だけでなく、どの捕手がどの投手と組むか、正木と山口の間に誰を置くかを見ると本番の構想を読みやすくなります。髙橋・金丸の投球、正木の出塁、山口の長打に、若手野手がどうつながるか。この組み合わせが、新しい侍ジャパンの最初の評価ポイントです。

