日本人選手の活躍で人気のMLBですが
2024年に世界一を達成したドジャースが
開幕から好調をキープしており
前評判通りの強さで
順調に白星を積み重ねています
一方で2024年シーズンに引き続き
投手陣を筆頭に故障者が続出しています
今回は故障者が続出する原因について
戦略的な観点から考察していきます
なお最新の故障者リストは
別記事でまとめましたのでご覧ください
また2024年故障者情報については
以下の記事をご覧ください
記事の内容
2024年の怪我人事情
レギュラーシーズン中は
グラスノー・山本投手らの長期離脱や
ブルペン投手陣の離脱が相次ぎ
ベッツ選手の骨折が重なった時期には
チーム成績はやや低迷しました
7月のトレード市場で
フラハティ・コペック・エドマン選手らの
獲得に成功したことで
チーム状況は大きく改善しました
またプレーオフでは
勝ち頭のストーン投手や
若手ながら好投を続けたライアン投手らが
トミージョン手術で離脱し
グラスノー投手も登板できないなど
先発投手不足が大問題となりました
ブルペンデーを組み入れることで
どうにか勝ち星を重ねましたが
リリーフ投手の登板過多によって
2025年の開幕に影響がでました
2024年は故障者の続出によって
苦しい時期もありましたが
終わってみればMLB最高勝率と
世界一の称号を手にしており
チームマネジメントの上手さが光りました
2025年の怪我人事情
2024年の激闘の影響もあり
コペック・フィリップス・グラテロル投手ら
ブルペン陣は開幕に間に合いませんでした
また2024年オフの大型補強で獲得した
スネル・イェーツ・佐々木投手らも
開幕早々に故障者リスト入りし
グラスノー投手も離脱しました
野手陣でもテオスカー・エドマン選手ら
主力選手の短期離脱により
早々に多数の故障者が出ました
故障者の穴を埋めるために
他球団をDFAとなったリリーフ投手や
マイナーに所属する中堅選手を昇格させ
故障者が復帰するまでの時間を稼いでいます
2024年シーズンに引き続き
投手陣に多数の故障者が出ており
チーム成績は良好なものの
依然として故障者の問題を抱えています
ドジャースの故障者事情(考察)
故障者が続出する原因
プレーオフに向けた選手の温存だと考えます
ドジャースは過去12年間で
11度の地区優勝を果たした強豪で
12年連続でプレーオフに進出しています
一方でワールドシリーズ優勝は2回と
プレーオフでの弱さが指摘されており
ポストシーズンでの結果が求められます
巨大戦力によって
プレーオフ進出の可能性は高いために
レギュラーシーズンでは
できる限り選手に休養を与えながら
プレーオフへの準備を整えます
標準的な他球団であれば
プレーオフ進出が目標となりますので
多少の怪我で主力選手を欠場させずに
ある程度無理をしながらの
選手起用が予想されますが
MLB屈指のチーム力を誇るドジャースでは
たとえ主力選手が離脱しても
その穴を埋められるだけの主力選手と
力のある控え選手が在籍しており
余裕のある選手起用が可能です
よって選手に休養を与える目的で
故障者リストを活用する行為が
あたかも故障者が続出しているように捉えられる原因です
故障者リスト入りさせるメリット
選手を故障者リスト登録することで
マイナー降格させることなく
ベンチ入り枠(26人枠)を空けることができ
また選手に休養を与えることができます
あまり知られていませんが
選手をマイナーに降格させられる回数には
上限が設けられており
シーズン中には5回が限度です
さらに選手のキャリアを通して
マイナーに降格させることができるのは
通算5年間と定められており
以後は降格させることはできません
よって既にMLBで実績のある選手を
マイナーに降格させて
休養を取らせることはできません
また若手選手についても
限りあるマイナーオプションを
むやみに消費することも得策とは言えません
一方で休養させたい選手を
26人枠に登録(ベンチ入り)しておくことは
他の選手への負担増加につながります
そこで故障者リストに登録することで
選手の休養を促します
故障者リストへの登録にデメリットは無く
選手に休養を与えるためには
最も最適な方法だと考えられます
言うなれば”故障者リスト”とは
”休養リスト”と考えることができます
ドジャースのチーム編成
2024年オフには大型補強を連発し
スネル・イェーツ・スコット・佐々木投手ら
豪華投手陣を獲得しました
ドジャースの投手陣をみると
先発・リリーフ両方において
26人のベンチ入り枠に収まらない程に
実績のある選手が揃っています
つまり選手に休養を与えることを前提とした
チーム編成がなされています
グラスノー・スネル・佐々木投手ら
爆発力がありながらも
怪我の多い投手達を揃え
経験豊富で安定感がありながらも
怪我のリスクが高い
トライネン・イェーツ投手らの
ベテラン投手を揃えられるのも
全て休養させることを前提としており
長いシーズンを投げ抜く屈強さよりも
ポストシーズン(短期決戦)での
パフォーマンスが重視された
チーム編成と捉えることができます
野手陣についても同様で
多数のユーティリティ選手を揃えるのも
主力選手に休養を与えるためで
全てはワールドシリーズ制覇に向けての
緻密なチームマネジメントと言えます
まとめ
今回は2025年シーズンのドジャースにおいて
怪我人が多い原因について考察しました
実際には故障者が特別多いわけではなく
選手に休養を与えるために
故障者リストの制度を活用していると考えられます
2025年のワールドシリーズ連覇に
期待が膨らみます
ここまでお付き合いいただき
ありがとうございました