日本人選手の活躍で人気のMLBですが
2025年6月のドジャース対パドレスの試合で
大谷選手が2戦続けての
報復死球を受けました
MLBでは古くから報復死球の文化があり
報復を巡って乱闘も発生します
今回はMLBにおける
報復死球について解説します
また報復死球のシチュエーションや
過去の事例についても紹介します
記事の内容
報復死球の基本
報復死球とは
相手チームへの報復として
故意にデッドボールを当てることです
MLB・NPBでは古くから存在する行為で
特にMLBでは頻繁に発生します
ここ最近は罰則が強化されていますが
今尚根深く残り続ける習慣です
報復対象のプレー
- 味方打者への死球
- 暗黙のルールへの違反
- サイン盗み
- リスペクトを欠いた態度
味方打者への死球
味方の主力打者が死球を受けた場合
報復を受ける可能性があります
万が一死球を受けた打者が
骨折等で離脱を余儀なくされた場合
チームにとって大きな損失となるからです
今後の死球への警告として
相手の主力打者への報復死球があり得ます
暗黙のルールへの違反
MLBには暗黙のルールと呼ばれる
ルールに記載のない”決まり”が存在します
例えば大差でリードしている側が
盗塁やバントをすることや
0-3からスイングすることは
暗黙のルールに違反するプレーとして
報復の対象となる可能性があります
リスペクトを欠いた態度
本塁打や奪三振後の
過度なパフォーマンスをはじめとする
相手を挑発するような態度は
相手選手へのリスペクトを欠く態度として
報復の対象となります
サイン盗み
サイン盗みはルール上でも禁止されますが
審判団が即座に断定することは難しく
紛らわしい行為に対しては
報復の対象となります
報復死球が発生しやすいシチュエーション
- 2アウト走者無し
- 大差のゲーム展開
- 0-3のカウント
報復死球は報復する側にとって
ピンチを広げることになりますので
接戦やノーアウトでは行われにくいです
一方で2アウト走者無しや
大差のゲーム展開の場合には
報復が行われる可能性が高くなります
なお0-3のカウントにおいては
フォアボールとなる可能性が高まるため
ゲーム展開に関わらずに
報復が行われることがあります
報復死球への罰則
- 退場
- 出場停止処分
- 罰金
試合状況を考慮して
審判団が故意死球と判断した場合
デッドボールを与えた投手は退場となり
最大で5試合前後の出場停止処分と
罰金のペナルティが科されます
また管理責任者である監督に対しても
1試合程度の出場停止処分と罰金が科されます
警告試合とは
審判団が故意死球と判断した試合では
警告試合が宣告される場合があります
この場合以降に死球が出た場合に
退場となる可能性が高まります
過去の事例
2025年6月 ドジャースvsパドレス
報復対象:大谷選手(ドジャース)
原因:前日のタティスJr.選手への死球
2021年9月 エンゼルスvsホワイトソックス
報復対象:大谷選手(エンゼルス)
原因:同カードにおける主力選手への死球
2013年6月 ドジャースvsDバックス
報復対象:プイグ選手(Dバックス)
原因:ブイグ選手の派手なバットフリップ
2001年6月 マリナーズvsロイヤルズ
報復対象:キャメロン選手(ロイヤルズ)
原因:同カードにおけるイチロー選手への死球
日本での報復死球
2021年 楽天vsオリックス
報復対象:浅村選手(楽天)
原因:同試合でのオリックス選手への死球
2010年 ロッテvs西武
報復対象:神戸選手(ロッテ)
原因:神戸選手の本塁打後のパフォーマンス
2007年 ヤクルトvs横浜
報復対象:内川・村田選手(横浜)
原因:11点差ゲームでの盗塁
報復死球はくだらない?
報復死球の文化は今尚根強く
現代の人々からすると
時代錯誤的でくだらないと
批判されることが多いです
野球の硬式球はかなりの硬さで
当たり所が悪ければ
命を落とす危険性もあるため
報復死球は危険な行為です
一方で報復文化については
チーム間での暗黙の了解でもあるため
報復を受けた側にも
ある程度の責任が伴います
最近では報復死球が減少傾向にあるものの
根絶には至っていないのが現状です
まとめ
今回はMLBにおける
報復死球について解説しました
現代では時代錯誤的との批判も多く
罰則は強化されているものの
報復文化は根強く残り続けています
ここまでお付き合いいただき
ありがとうございました