大谷選手の活躍により大人気のMLBですが
162試合に渡る長いレギュラーシーズンが終了しました
各種タイトルの受賞者が気になりますね
MLBで投手最大の栄誉とされているのがサイヤング賞です
実質的には投手版のMVPとされているタイトルです
今回は2024年のMLBサイヤング賞ランキングをまとめていきます
また歴代サイヤング賞受賞者一覧と選出方法についても解説していきます
記事の内容
サイヤング賞の概要
サイヤング賞とは
レギュラーシーズンで最も活躍した投手に与えられるタイトルです
ア・リーグとナ・リーグそれぞれで1人ずつが選出されます
MLBの投手タイトルにおいて最も価値があると考えられており
サイヤング賞獲得は投手最大の栄誉です
なお同じようなタイトルにシーズンMVPがありますが
これは主に野手の受賞者が多く、サイヤング賞は投手版のMVPと考えられます
サイヤング賞の選出方法
全米野球記者協会の記者投票によって選出されます
各リーグには15球団が所属しておりそれぞれの本拠地都市は異なります
本拠地都市から2人ずつが選出され計30人の記者に投票権が与えられます
それぞれの記者は1位から5位までの選手を投票します
各順位にポイントが割り当てられますので
全ての記者の投票を集計してポイントの合計値が最も高い選手が受賞します
つまり満票の場合の獲得ポイントは210ポイント(30人×7ポイント)です
投票はレギュラーシーズン終了後に締め切られますので
ポストシーズンの活躍は考慮されません
2024年サイヤング賞の発表日
日本時間 11月21日(木)
WARについて
WARとは?
WARはWins Above Replacementの略です
日本語で分かりやすく補足すると
「その選手が試合に出場しなかった場合の負け数」を表します
打撃・守備・走塁・投球を全て加味した選手の活躍を表す指標であり
ポジションの負担なども考慮されることからMLBではMVP選定の際に注目されています
例えば2023年シーズンの大谷選手のWARは10.1で
メジャー全体で1位の数字を記録しました
この場合もしも大谷選手が欠場した場合
チームは10勝を失った(10敗した)と考えられます
つまり大谷選手の活躍はチーム10勝分と評価されたことになります
平均的な選手のWARは2.0前後ですので
大谷選手の価値の大きさが良く分かりますね
以上がWARの簡単な意味です(本来はもう少し複雑です)
WARの種類
- fWAR:FanGraphsが公表
- rWAR:Baseball Referenceが公表
WARには決まった計算方法が存在しません
そのためMLBでは権威ある情報機関が公表している2つのWARが使われます
それぞれ計算方法が異なりますので順位は変動します
よって選手の総合力を評価する際には2つのWARを確認する必要があります
投手のWAR
一般的に投手のWARでは守備影響を排除した投手の活躍が評価されます
味方守備の能力や球場による影響(狭い・標高が高くボールが飛びやすい等)に加えて
登板した場面の重要度なども考慮されます
算出方法は情報機関によって異なりますが
できる限り純粋な投手個人の活躍が評価される指標です
2024年WARランキング
ア・リーグ
1位は投手三冠(最多勝・最多奪三振・最優秀防御率)を達成したスクーバル投手でした
2020年にデビューを果たし年々成績を向上させていましたが
ついに大ブレイクを果たしました
2024年はまさに敵無しで素晴らしい数字を残しました
2位はロイヤルズの右腕ルーゴ投手です
2023年に先発に再転向した投手ですが
16勝を挙げる活躍でチームをワイルドカード進出に導きました
3位は同じくロイヤルズの左腕レイガンズ投手です
2022年にデビューした若手投手ですが
11勝を挙げる活躍でチームを支えました
ナ・リーグ
1位は投手三冠(最多勝・最多奪三振・最優秀防御率)を達成したセール投手でした
実力派投手として有名なベテラン右腕ですが
18勝3敗と素晴らしい成績でキャリアハイを更新しました
2位はフィリーズのウィーラー投手でした
ベテラン投手ならではの安定した投球でキャリアハイとなる16勝をあげました
3位は先発に再転向したロペス投手でした
防御率は1.99を記録し打者を圧倒しました
2024年サイヤング賞投票結果
大方の予想通り、両リーグで投手三冠を達成したスカバル・セール投手が受賞し
スカバル投手は満票でのサイヤング賞獲得となり、大ブレイクのシーズンとなりました
また菊池・今永両投手もTOP10にランクインしており、日本人投手の活躍も評価されました
なおホワイトソックスで圧巻の投球をみせていたクロシェ投手はランク外となりました
選手紹介(ア・リーグ)
1位 タリク・スクーバル
所属:タイガース
投手起用:先発
ア・リーグの投手三冠を獲得したタイガースの絶対エースです
2020年にデビューした若手有望株ですが
2024年は圧倒的な投球で素晴らしい成績を残しました
最速160キロに迫る速球派左腕ですが
チェンジアップ・スライダー・カーブの切れが抜群です
制球力も非常に高いため投球も安定しており
さらに高い奪三振率を誇ります
サイヤング賞の獲得が確実視されています
2位 セス・ルーゴ
所属:ロイヤルズ
投手起用:先発
2023年に先発に再転向したベテラン投手です
多彩な変化球を武器として、ベテランらしい投球術で打者を打ち取ります
制球力も高く安定して試合を作れる投手です
2024年シーズンは16勝を挙げる活躍でチームをプレーオフに導きました
3位 エマヌエル・クラセ
所属:ガーディアンズ
投手起用:リリーフ
MLB屈指の剛腕クローザーです
2022・2023・2024年と3年連続で最多セーブのタイトルを獲得しました
最速165キロの直球と160キロを超えるカットボールでゴロの山を築きます
制球力は非常に高くフォアボールはほとんど出しません
現役最強クラスのクローザーです
4位 コール・レイガンズ
所属:ロイヤルズ
投手起用:先発
2016年のMLBドラフト全体1位の投手です
2024年シーズンはキャリアハイとなる11勝をマークしました
荒れ球ですが威力抜群のチェンジアップを武器に高い奪三振率を誇ります
キレのある直球とのコンビネーションで打者を打ち取りました
5位 コービン・バーンズ
所属:オリオールズ
投手起用:先発
2021年のサイヤング賞右腕です
オリオールズ移籍1年目の2024年シーズンはキャリアハイとなる15勝をマークし
防御率も2点台と安定した投球を披露しました
最速160キロの直球と切れ味鋭いスライダーを操り
制球力も高いため大崩れしない投手です
2024年オフにFAとなるため去就に注目が集まります
選手紹介(ナ・リーグ)
1位 クリス・セール
所属:ブレーブス
投手起用:先発
ア・リーグの投手三冠を獲得したベテラン右腕です
実力派投手として複数回の最多奪三振のタイトルを獲得してきましたが
2024年シーズンはキャリアハイの投球で
18勝を挙げ防御率は2.38を記録しました
最速161キロの直球とMLB屈指の変化量を誇るスライダーが武器です
制球力も高くつけ入る隙の無い投球でした
2位 ザック・ウィーラー
所属:フィリーズ
投手起用:先発
長年活躍を続けるベテラン右腕です
強豪フィリーズのエース格として16勝を挙げる活躍をみせました
最速160キロを超える質のいい直球を軸として多彩な変化球を操ります
200イニングを投げるタフネスぶりにも高い評価を得ています
3位 ポール・スキーンズ
所属:パイレーツ
投手起用:先発
2024年にデビューした怪物ルーキーです
5月上旬にデビューを果たすと期待以上の投球で快投を続けました
規定投球回未達ながら防御率は1.96を記録しました
160キロを超える直球と多彩な変化球を操りますが
コントロールが良く高い奪三振率を誇ります
オールスターゲームでは新人史上5人目となる先発投手に抜擢されました
4位 ディラン・シース
所属:パドレス
投手起用:先発
急成長中の若手剛腕投手です
最速160キロ超の直球とスライダーを武器として、高い奪三振率を記録します
2024年シーズンはノーヒット・ノーランを達成するなど大活躍しました
5位 今永昇太
所属:カブス
投手起用:先発
日本で実績を積んだ本格派左腕です
球速はMLBの平均を下回りますが、伸びのある直球で高い空振り率を記録します
制球力もメジャー屈指で、安定した投球でチームを支えました
2024年はMLBデビューの年となりましたが、期待以上の活躍で15勝を記録しました
歴代サイヤング賞投手一覧
現在もベテラン投手として活躍する
カーショウ・バーランダー・シャーザー・デグロム投手が複数回受賞しています
日本のDeNAで活躍したバウアー投手も2020年に受賞しています
また2024年シーズン途中にロッテに移籍したカイケル投手もサイヤング賞投手です
まとめ
今回は2024年のサイヤング賞ランキングを紹介しました
投手三冠を達成したスクーバル投手とセール投手が受賞しました
2024年MVPについては別記事でまとめましたので併せてご覧ください
ここまでお付き合いいただきありがとうございました