プロ野球の育成選手とは?支配下選手との違いについても解説!現在活躍する元育成契約選手達も紹介!

プロ野球

ここ数年のプロ野球では若手選手の活躍が目立っています

毎年開催されるドラフト会議では期待のルーキーたちが指名されスポーツニュースを賑わせます

一方で育成選手としてひっそりとプロ野球界に足を踏み入れる選手達もいます

またプロで順調なキャリアを歩んでいたものの

大けがや不振によって支配下登録から育成選手登録に切り替わる選手もいます

今回は育成選手について分かりやすく解説していきます

また支配下登録選手との違い現在活躍する元育成選手達についても紹介します

支配下登録選手(支配下選手)とは?

日本のプロ野球12球団と支配下契約を結んだ選手を指します

各球団の支配下登録選手は最大70人と定められており

1軍の公式戦に出場する権利が与えられます

支配下選手となるには①ドラフト会議で指名を受ける、②育成選手から支配下選手へ昇格する

2パターンが基本となります

また支配下登録選手の最低年棒は430万円と定められています

育成選手とは?

支配下登録選手とは別に育成契約を結んだ選手を指します

支配下登録選手には70人の上限が設定されていますが

育成選手には人数の上限はありません

一方で支配下選手と比較すると様々な制限やルールが設定されています

1軍の公式戦に出場できない

主に育成を目的とした契約ですので1軍の試合に出場することができません

選手の活躍が認められて1軍の試合に出場させたい場合には

新たに支配下契約を結び直す必要があります

なおシーズン中に育成選手から支配下選手へ昇格させる場合は7月末が期限となります

逆にシーズン中に支配下選手から育成選手に降格させることはできません

3桁の背番号

育成選手は3桁(011など)の背番号をつける必要があります

これは支配下選手との区別を分かりやすくするためです

3年間の在籍期限

育成契約を結んだ選手が3年を超えて契約を延長することはできません

よって支配下契約を結ばないまま3年が経過すると

自動的に自由契約となります

この場獲得を希望する他球団が交渉権を得ることができます

ただし所属球団と新たに育成契約を結び直すことも認められています

低い最低年棒

支配下登録選手の最低年棒430万円に対して

育成選手の最低年棒は230万円と定められています

契約金は無し

支配下契約であれば入団時に契約金を受け取ることができます

話題のドラフト1位ルーキーであれば1億円を受け取ることもあります

一方で育成選手には契約金が支払われません

そのため例年のドラフト会議では育成ドラフトの指名を拒否する選手もいます

2軍公式戦での出場制限

育成選手が2軍の公式戦に出場することは可能です

しかし育成選手の出場は1試合で最大5名の制限が課されます

そのため球団によっては3軍を設置することで育成選手の出場機会を確保しています

社会人選手を育成指名できない

明確なルールがあるわけではありませんが

育成契約はあくまでも育成を目的とすることから

原則として社会人選手の指名は行われません

育成選手制度の課題

アマチュア選手のレベル低下

育成出身者で支配下登録を勝ち取る選手はわずかです

そのため一度も支配下に登録されないまま引退する選手も少なくありません

一方で育成契約によりプロ野球12球団に所属する選手が増えると

社会人・大学野球から実力のある選手が減ります

その結果アマチュア野球全体のレベルが下がり

選手達のレベルも下がる可能性があります

この状況は長い目で見ると野球界全体にとって損失となります

よってプロ野球球団が必要以上に育成選手を所属させることには批判もあります

育成目的以外での制度利用

最近では1軍での活躍経験のある選手が

怪我や諸事情のために育成契約を結び直す事例があります

2023年オフには阪神の高橋遥人投手が怪我の影響で育成契約を結び直しました

その後2024年シーズン中に再度支配下に復帰しました

また球団A→球団Bの間でFA移籍が成立した際には

球団Aは見返りとして球団Bの選手を獲得することができます(選手年棒ランクによる)

球団Bは事前に28人をプロテクトリストに登録し

球団Aはリスト漏れした選手の中から好きな選手を獲得することができます

このFA移籍による戦力ダウンを防ぐ制度を人的保障制度と呼びます

人的保障制度では育成選手を獲得することができませんので

恣意的に有望な支配下選手を育成契約に落とすことで選手の流出を防ぐことができます

現在活躍する元育成選手

千賀滉大

  • 所属:ニューヨーク・メッツ
  • ポジション:投手

歴代の育成出身選手で最も成功した選手とされます

国際試合では日本代表にも選出されるなど日本を代表する投手となりました

現在はMLBのメッツに移籍し順調なキャリアを歩んでいます

160キロを超えるストレートと代名詞とも言えるフォークを武器とします

落差の大きいフォークは打者から消えたように見えることから

お化けフォークと評価されています

メッツの本拠地では千賀投手が三振を奪うたびに

ゴーストのイラストが流れる演出が人気です

大竹耕太郎

  • 所属:阪神タイガース
  • ポジション:投手

阪神の強力投手陣の中で先発ローテーションに定着している技巧派左腕です

2023年に現役ドラフトでソフトバンク→阪神に移籍すると

いきなり12勝を挙げる活躍をみせてチームを日本一に導きました

球の出所が見にくい独特のフォームから高い制球力でコーナーを突きます

最高球速は145キロを速くありませんが

多彩な変化球と緩急で打者を打ち取ります

周東佑京

  • 所属:ソフトバンクホークス
  • ポジション:外野・内野

球界随一の俊足が売りのリードオフマンです

2020・2023年と2度の盗塁王に輝きました

また内外野を守ることができるユーティリティ性も武器の選手です

国際大会でも日本代表に選ばれるなど足のスペシャリストとして活躍しています

甲斐拓也

  • 所属:ソフトバンクホークス
  • ポジション:捕手

ソフトバンクの黄金期を支えた日本を代表する捕手です

高い守備力と強肩でチームを支える一方で

勝負強い打撃も持ち味です

日本代表で正捕手を務めた経験もあります

まとめ

今回は育成選手についてまとめました

育成選手は支配下登録選手と比べると様々制限がある中で

1軍での活躍を目指して経験を積み重ねており

将来的に千賀選手にようにMLBで活躍する選手が台頭することが期待されます

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

プロフィール
この記事を書いた人
TOKYOリーマン

野球好きの30代サラリーマン / 趣味は野球観戦・読書 / 現在子育てに奮闘中 / 野球関連のデータ分析・考察記事を発信します

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